2003年11月19日(水) 大分ビッグアイ キリンチャレンジカップ2003

日本 vs. カメルーン (0−0)

テレビ朝日
 実況:角澤照治
解説:松木安太郎、セルジオ越後
ピッチ解説:堀池巧



<日本代表メンバー>
GK:1 楢崎正剛
DF:2 山田暢久、3 坪井慶介、5 宮本恒靖、14 三都主アレサンドロ
MF:6 稲本潤一、18 小野伸二、7 中田英寿(cap)、10 藤田俊哉→19 遠藤保仁(後半35分)
FW:9 高原直泰、13 柳沢敦→20 大久保嘉人(後半24分)


「得点力不足によるもどかしいスコアレスドロー」

 我らが日本代表(FIFAランキング28位)ベストメンバーの今年見納めの試合である。スコアレスドローという一ファンとしては最ももどかしい結果であるが、内容的には今年一番の試合であり、良くも悪くもまさに集大成といっていいだろう。
 相手はFIFAランキング14位、アフリカの強豪カメルーンである。カメルーン代表といえば、来日の遅れで一躍有名になった大分県中津江村である。あの事件以来、カメルーンと大分県は友好関係を築いているようで、カメルーンにとってもある意味凱旋試合といえよう。会場のサポーターの熱い応援も伝わってきた。中津江村からも多くの村民が来場し、坂本休村長も会場入りするという一風変わった味わい深いマッチメイキング(と表現するのだろうか)に、私個人もこの試合は非常に楽しみだったのだ。会場は最近開発の進む大分県のビッグアイで、選手が何度も滑り、芝生がそこら中でほじくれていたので、どうやらグラウンドのコンディションがよくなかったようだ。
 筆者個人の話で恐縮だが、最近卒論で大分県のことを分析しており、大分の事情にも注意を払わなければならないのである。

 0-0という結果について、身体能力で勝る相手に失点しなかった守備は評価できよう。私が特に誉めたいのは、ゴールネットに捕獲されながら(投網にかかったともいう)も執念でゴールマウスを守った楢崎GKである。今日のフリーキック合戦は相手に分があるようで、あわやという場面も度々ファインセーブで日本代表を救った。90分間高い集中力を維持し、一つのミスもなかった。私の父は試合終了後「
川口なら失点していた」とメールをくれた。川口を馬鹿にする奴は投網にかかっちまえばいい。
 一方の攻撃だが、相変わらず得点力不足に悩んでいる。その原因の全てを語ることは難しいが、ここでいくつかのポイントを挙げてみたい。まず、フォワード陣のゴールに対する闘争本能(Killer Instinct)が欠落していることである。海外の優秀なストライカーのプレイを眺めていると、ゴールの匂いを嗅ぎつける能力が日本人に比べ著しく秀でていると感じることが少なくない。そんなところからシュートが打てるのか、そこに走りこむのか、チャンスを見つけると何と素早く反応するんだ・・・などなど、しばしば彼らの卓越したプレイに言葉を失ってしまうとともに、一方の日本のフォワードは・・・と失望してしまう。日本人ストライカーが反応できるアンテナの性能は、欧州で活躍する彼らと比較すると圧倒的に劣っているのである。私の最も好む表現で言えば、優秀なストライカーは得点の気を感じるや否や、界王拳10倍になるのだ(もちろん気を消してフェイント気味に打つシュートなどもある)。そしてこの界王拳は、残念ながら日本(この世)で習得することが極めて困難なのである。
 今日の試合で得点できなかった原因は、ワンタッチでシュートを打つべきチャンスを2度逃してしまったことは当然として、チームの流れとしても、面白そうな展開を何度もファールで止められてしまったことが考えられる。反則することは普通チームに悪く作用することが多い。しかし、カメルーンの反則は今ここで日本に好きにプレイさせたら危ないという場面で、上手く反則でプレイの流れを断絶させた(中田選手や高原
選手などはさすがに倒れにくい部類だった)。
 不運なことに今日の審判は特にペナルティエリアの中での反則に甘く、ジャッジ筆者としては少なくとも1度は日本のPKになるべき反則(前半の中田
選手のインターセプトから小野選手が倒された)が流され、カメルーンに対しては2枚のイエローカードが出されるべき反則があった。そしてなぜ山田選手にイエローが出されるのか、ホームとしても理解できなかった。
 また、セルジオ越後氏もコメントしていたことだが、日本にはサイドの攻撃が少ないのである。両サイドバックがアグレッシブにオーバーラップし、センタリングを上げることは、相手ディフェンスにとって非常にやっかいな攻撃であり、特に4-4-2というフォーメーションにおけるこういった槍の存在は、最も基本的な戦術の一つである。個人的には三浦淳選手(私の中では三浦丈と区別するため淳をつける)の攻撃的なプレイとホスト顔を高く評価しているのだ。しかも彼は大分県別府市出身であり、彼にとっても凱旋試合であったのに、出場チャンスを与えられなかったのは残念である。
 日本のプレイがしばしば小さくなってしまうのも、逆サイドに大きく展開するための受け手が鈍いからである。それが日本の攻撃の幅がないことに大きく起因しているだろう。確かにカメルーンの攻撃は激しかったが、ディフェンスが守りだけに専念しているうちは勝つことは難しいのだ。カウンターなど攻撃のチャンスをもっと意識してプレイしてもいい。

 詳しいことは良くわからなかったが(今回長い時間を見たのが初めてで、テレビ画面ではグラウンド全てを映しきれないなどのため)、藤田選手は攻撃の起点として目立っていたように思う。私が小学生の頃のキャプテンKを思い出した。彼(藤田)のような相手をためる役割をする選手がチームにいると、周りの選手は自分の負担が著しく減るので、フリーの時間がより長くなりずっと楽にプレイできるはずだ。途中交代したのは残念だったが、どうせなら3-5-2のシステムで層の厚い中盤の選手を生かすことも選択肢に入れてもいいのではないだろうか。まだ課題は残っているとはいえ、藤田選手が入ったフォーメーションは今後も試すべき価値があるだろう。
 それにしても相変わらず大久保選手が優遇されているのは理解できなかった。クロスは上げられないし、トラップも雑、前を向けず何のための投入だったのだろうか。海外からジーコ監督お気に入りの鈴木選手が招集されていたのだが・・・。柳沢選手がややポスト系の静のプレイに固執しすぎていたため、大久保選手は対極的に相手をかき回す動の役として期待されていたはずだ。確かに今シーズンのJリーグ得点ランキングでは日本人第1位(通算第4位)で、日本人の中では優秀なストライカーなのだろう。若手の中では期待の星であろうから、井の中の蛙とならぬよう早く厳しい海外で揉まれ、経験を積んで欲しいものだ。いずれにせよ代えるのならばもう少し早くてもいい。

 私の独断と偏見による本日良かった日本代表の選手は、楢崎選手、藤田選手、高原選手である。メンバー全員の採点は、現在勉強中なので将来的により厳密にコメントできるようにしたい。サッカー誌を複数買って熟読する必要があるなぁ。

 最後に、テレビ朝日のアナウンサーとコメンテーターのひどさにコメントしたい。「良い攻撃でしたね〜」、「危なかったですね〜」、「これは惜しい!」など、視聴者がわかりそうな(実況できそうな?)表面的なプレイ、あるいは事後の単なる感想しか述べていない。
 セルジオ越後氏は最近珍しい説教系のキャラクターである。私自身そういったスタンスが嫌いではなく、サッカー小僧として実際に信じていることでもあるのだが、テレビの解説(ホームページのコンテンツとしても?)としてはあまり好まれないのだろう。かつてラモス氏が日本代表の不甲斐なさについて「勝ちたくないのならピッチに立つ資格ないよ」などと頻繁に批判していたが、特にサッカー未経験者の日本人の感覚としてはひどく不快に感じるのだろう。彼はスタイルを変え、最近すっかり丸くなってしまった。
 松木安太郎氏はわかりやすく言おうとするあまり、解説ではなく感想を喋っているに過ぎない。テレビ局の要請か、解説としての彼なりのやり方なのか、今日の印象では、彼が監督としても緻密な戦略などを選手に教えているシーンをイメージすることは正直とても難しい。彼らの役割は、視聴者が理解できない高度なプロのプレイを明快に教え説くことである。

 このホームページ用のレポート作成で、民放のサッカー放送レベルがだいたい把握できた。期待しているのが、フジテレビの青嶋氏(深夜は最高レベル、日本代表は調子に乗りすぎて不発なのでもう一息)と風間氏(最高の解説者)、そしてテレビ東京(久保田光彦氏、浅野哲也氏、野口幸司氏)である。他の局も彼らの長所を学び、私たち視聴者がより深くサッカーを味わい、楽しめるような番組作りを心がけ、お互いに切磋琢磨してもらいたい。



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