2004年3月16日(火/曇) アテネ五輪 アジア最終予選


国立競技場

(U-23)日本 vs. (U-23)レバノン
(2-1)

得点者
阿部(前半14分)
大久保(後半24分)

警告
大久保(後半33分)
平山(後半37分)
近藤(後半45分)

レフェリー
サウジアラビア人

テレビ朝日
実況:角沢、解説:松木、セルジオ越後、ピッチ解説:堀池



<U-23日本代表メンバー>
GK:18 林卓人
DF:16 近藤直也、3 阿部勇樹(cap)、5 茂庭照幸
MF:7 石川直宏、6 今野泰幸、10 松井大輔→11 田中達也(後半23分)、14 前田遼一、17 森崎浩司
FW:19 大久保嘉人、20 平山相太



「若干のツケを残す勝利」

展望

 バーレーンにまさかの敗北を喫した日本代表は、グループリーグ突破に向けて崖っぷちにたたされた。その一つは3チームが勝ち点7で並ぶ大混戦になり、お そらく2連勝しなければ勝ち残ることは非常に難しくなったことである。そしてもう一つは、ディフェンスの中心人物トゥーリオ選手と那須選手の欠場である。 トゥーリオ選手の負傷(左太もも裏肉離れで全治3−4週間 source) は山本プランを大きく狂わせ、初失点による動揺も小さくなかったのだろう。守備的な日本代表が守備の要を失って、中一日でどれだけ対応できるだろうか。さ らに悪いことに、UAEラウンドで欠場していたレバノンの主力3人も出場するという。
 昨日のバーレーン代表は、アウェイにおいて日本代表を倒すための盤石なゲームプランをほぼ完璧に実行することができた。日本代表がこの後遺症に悩み、明 日も嫌な流れを引きずってしまわないよう、その意味では気持ちを切り替えて欲しいものである。一方で懸念すべきことは、レバノンが日本キラー振りを発揮し たバーレーンと同じようなゲームプランを展開してきた場合に、どうやってそのディフェンスを崩すかということである。似たような戦術を取った相手に、よも やの苦戦をするかもしれない。

 昨夜Get Sportsという番組で予想スタメンを議論していた。  
徳永 阿部 茂庭
 鈴木  今野
石川      森崎
田中
  平山 大久保
 中央の高さという点ではやや分が悪いものの、田中選手が遠目からも積極的にシュートを打ち、サイドが上手く機能すれば、案外新しい攻撃のオプションとな るような気がしないでもない。現在の日本代表の攻撃が読まれがちであることや、短期間で気持ちを切り替えなければならないことを考えれば、これくらい著し い変化があってもいいのかもしれない。しかし、あまり冒険を好まない山本監督からすれば、おそらくこの予想は外れるだろう。

 日本が勝つためには、早い時間帯で得点し、勢いに乗りたいものだ。仮にこの予想スタメンならば、サイド攻撃がずっと豊富になるため、相手を走らせ疲れさ せることもできるだろう。相手ディフェンスに的を絞らせないよう多彩な攻撃をすれば、レバノンディフェンスを崩すことは決して難しくない。バーレーン戦ほ ど苦戦することはないだろう。希望も込めて、4-0で快勝に期待したい。


前半
 我らが日本代表は、序盤から得点に対する意識が強く、積極的にゴールを狙い、序盤からリードしていこうとする姿勢が見られる。石川選手の伸びのあるドリ ブルにレバノンは嫌がっているようである。石川選手から供給されるボールは得点にこそならないもの、非常に有効的であった。期待の大久保選手は、キャバク ラに無断外出したことをどう意識しているのかわからないが、今夜は彼のベストプレイである。反則を誘う動きが見事に炸裂し、阿部選手のフリーキックによる 得点のアシストに匹敵しよう。しかし得点の後、日本は急に攻撃のペースを緩め、レバノンはさらに守りを固めてしまう。速攻ならず遅攻ではこの守りを崩せな い。
 30分過ぎくらいから、石川選手や前田選手など、ドリブル突破が効果的になってきた。レバノンディフェンスは1対1の戦いを苦にし、実際勝ち目は十分に あった。惜しいシーンが何度か見られたが、結局得点までには至らない。

後半
 レバノンが守備を固め、日本は攻めあぐね始めた。これはバーレーン戦と同じように、中央はもちろんサイドまで厳しいマークにつかれたことにあるだろう。 いくつかの良い攻撃も、さすがにゴールには結びつかない。
 22分、近藤選手が浮き球の処理を誤り、思い切りのいいロングシュートで失点する。シュートも素晴らしかったが、これはミスを責められるべきである。典 型的なカウンターアタックによる失点は効いたかに見えたが、その直後前田選手のアシストから大久保選手がどフリーでヘディングゴール、再びレバノンを引き 離した。その後、日本はさらなる追加得点を狙う姿勢はそれほど見せなかった。前半のことも考えると、おそらく1点差を守り抜くように山本監督に指示されて いた可能性がある。

まとめ
 まずレフェリーについて、日本ラウンドでもまたイスラム系の主審である。今日の審判はグループリーグの中で最もまともだったとはいえ、平山選手が肘打ち してしまったのは偶然であり、イエローカードはやや厳しいように思う。後半15分過ぎ、大久保選手が低空ドロップキックをされたのは、イエローカード間違 いなしに思うのだが。カードが出されてもおかしくない反則が両チームに2、3ほどあったのではないだろうか。イエローカードの重みを考えると、その判定に はやや納得しかねる部分もある。

 負傷者や出場停止など主力選手を欠きながら、グループリーグ突破という目標に向けて望みをつなぐ結果を出したことに不満はない。しかし、この試合開始前 にバーレーンがUAEを下し(2-0)、次のUAE戦がより僅差の戦いであり、一方のバーレーンはレバノンと対戦すること(大量得点の可能性が高い)を意 識すれば、2-1というスコアとその内容にはやや不満が残る。日本とバーレーンが勝利することを前提として、現在2位のバーレーンが得失点差4以上をひっ くり返すのは困難である。とはいえ、この試合でもう2得点あれば、バーレーンを下手にがんばらせることも、得失点差の心配をする必要もほぼなくなっていた だろう。内容面に関しても、決定的な攻撃パターンを見せることができなかったのは、次の試合のための戦力温存だからと楽観的に解釈していいだろうか。山本 監督は、より強い相手により多く得点すべき状況に陥らないだろうか。
 後半開始以降、レバノンの守備がさらに厚くなり、決定的なチャンスを作れず攻撃が手詰まり気味になってきたので、さらに攻撃的に高松選手を投入(あるい は前田選手をもっと攻撃的にさせる)しても良かったのではと思わなくもない。山本監督の安全志向の采配からは、2-1で逃げ切ることを意識していることが 推察できる。この采配に対して好みは分かれようが、間違いや矛盾はない。とはいえ、多くのファンが物足りなさを感じてしまったのではないだろうか。UAE 戦を意識して、新たな攻撃のオプションもあるということをこの目で確認しておきたかったところだ。
 この予想以上の苦戦について、テレビ朝日のセルジオ越後氏は前田選手が下がりすぎだとしばしば指摘されていた。ボランチ(舵取り)の役割とは何かと考え ると、ボランチより前の選手がやりにくい状況になってしまったり、相手を崩せなくなったりすれば、後方からサポートし、逆サイドに展開したり、あるいはミ ドルシュートを放つなど、一息つかせることも重要なのではないだろうか。3バックのボランチにはストッパー(スウィーパーの前での前処理)の機能も求めら れているが、最近のようにサイドの選手まで徹底してマークするような守備的な布陣の相手には、もっと攻撃の手助けとなる役割も果たせるように思う。私は サッカー小僧としてボランチのポジションはあまり経験がないが、ボランチの役割とは何か、というタイトルで「オフサイドの解説」に次ぐネタが 書けそうだ。

放送陣に対して
 セルジオ越後氏は、ここ最近で技術的な解説が最も良かった。彼のベスト解説であろう。その一方で、私は残る角沢氏と松木氏が嫌いだが、最近はもう心を閉 ざして耳にしないことにも慣れてきたのでどうでもいい。

採点の比較

右の列の赤字部分は「サッカーマガジン」より黄字は「サッカーダイジェスト」より引用。


私の採点
マガジン ダイジェスト
林卓人
6.0
6.0
*
近藤直也
5.0
5.0
*
阿部勇樹
7.0
6.0
*
茂庭照幸
6.0
5.5
*
石川直宏
6.5
5.0
*
今野泰幸
6.0
7.0
*
松井大輔
5.5
5.0
*
→田中達也
6.0
6.5
*
前田遼一 5.5
6.5
*
森崎浩司
5.5
5.0
*
大久保嘉人
7.5
6.5
*
平山相太
6.0
5.5
*

 今日の批判すべきポイントは、失点とボランチ(中盤のバランス)であろう。
 本日のMVPは1得点1アシストに等しい活躍をした大久保選手である。準MVPは僅差で阿部選手とした。数字に残らない活躍や優れたクロスボールなど大 久保選手に勝るとも劣らないが、トゥーリオ選手と比べるとややリーダーシップに劣るというか、チーム全体がおとなしく見えることを考慮した。
 林選手は飛び出しが遅いシーンが一度あったので、やや5.5に近い。失点は止むを得ないといえばそうだ。近藤選手は累積欠場の代役を果たせず。失点は彼 の責任である。茂庭選手は、後半の攻撃参加は良かった。
 石川選手は前半良かったが、後半スペースがなくなりずっと厳しくなった。今野選手はワンボランチとして無難に仕事をこなした。ミドルの精度は相変わらず 悪い。松井選手は中盤で悪いタイミングでインターセプトされ、司令塔として周りのバランスを取ることが良くなかった。田中選手は投入された時間がやや遅 かったため採点は難しいが、UAE戦はコンディション整えをフル出場できそうである。前田選手はセルジオ越後氏に同意し、厳しく考えるとこの日のA級戦犯 と見る。ただし、前半ドリブル突破が良かったことと、追加点をアシストしたことは評価する。今後は非情な攻撃を続けて欲しい。森崎選手は石川選手に比べる とクロスの精度が劣る。6.0にするか悩むが、もう少し攻撃のバリエーションが欲しい。
 平山選手は空中戦の競り合いには勝っていたが、あれほど密集地になるとポストプレイもやりにくいだろう。後半高松選手と交代させるかと思われ、これも 5.5にするか悩んだ。コンディションは戻ってきているようだ。

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