2004年4月25日(日曜日/天候) 国際親善試合

ハンガリー @ザラエジェルツェグ

日本 vs. ハンガリー
(2-3)

得点者
玉田(後半30分)
久保(後半32分)


警告
茶野(後半31分)
三都主(後半46分)


レフェリー
クロアチア人

テレビ東京
ゲスト:ラモス瑠偉 解説:浅野哲也、実況:久保田光彦



<日本代表遠征メンバー>
GK:1 楢崎正剛
DF:3 坪井慶介、22 田中誠、5 茶野隆行
MF:8 西紀寛→21 加地亮(後半16分)、4 遠藤保仁、15 福西崇史→17 三浦淳宏(後半17分)、
14 三都主アレサンドロ、16 藤田俊哉(cap)→19 本山雅志(後半27分)
FW:11 久保竜彦、20 玉田圭司


「チームのコンセプトとは? 個人技だけでは勝てない」

展望
 解任論が日増しに強くなるジーコ監督の東欧遠征である。相手はFIFAランキング72位のハンガリー(日本は26位)である。
 ジーコ監督の期待する欧州組のうち、鈴木選手は、今回近場にも関わらず召集を見送っている。比較的近距離の移動にせよ、中田選手以外の欧州組はそれほど 期待以上の働きができない可能性は高いだろう。
 戦前の情報によるとこの試合では、国内組、とりわけジュビロ勢(DF田中、MF西、福西、藤田)を中心に3-5-2のシステムで試合を組み立てていくよ うだ。シンガポール戦のような仕上がりであれば、ジュビロ磐田の単独チームで戦った方が強いという噂さえ聞こえてきそうだが、確かに1つのチームのメン バーを多くすることで連携はより確実になる。そして、得点力不足を補うためなのか、現地でシュート練習に励んでいるらしい。source: sportsnavi
 しかし、メンバーを交代しようが、システムを変えようが、いずれにせよジーコ監督にこれ以上のことを期待しても無駄である。私はジーコ監督の解任を叫ば ないファンに疑問を覚えるほどだ。
 私が注目するポイントはただ1つ、逆説的だが、どれだけハンガリーが日本を叩きのめすかである。FIFAランキング100位以下のチーム、いわばJ2以 下のようなチームに苦戦していることを考えると、ハンガリーでさえ相当の強敵になるのではないだろうか。シンガポール戦で最後の情けとして解任論者を打ち 破るような試合をしてくれることを期待したが、結局無意味であった。より強い欧州のチームになれば、勝利よりも敗北の方が濃厚なのではないだろうか。個人 個人の力量には、それほど大きな差異はないだろう。遠征中の練習も特に変わった様子もなく、基本的に40歳を越えた人間が劇的に変わるとは考えにくい。
 期待する(?)ハンガリーだが、マテウス監督は元ドイツ代表のキャプテンでワールド・カップ優勝を経験したことがあり、今回は日本と同様に国内組を中心 としているようである。私は詳しい情報をほとんど知らないが、少なくとも日本代表より戦術が共通理解され、優秀な監督に率いられていることは間違いないの ではないだろうか。
 試合の予想をすると、個人間戦術(藤田選手か、中田選手関連)で1点取れることはあっても、チーム戦術で得点することはほぼ非現実的であろう。一方の守 備については、いかに楢崎守護神といえども、失点する確率の方がより高いだろう。2-1で敗北、内容的には完敗と予想する。

前半
 ジュビロ勢を中心とし、純国内組のスタメンのジーコジャパン。序盤からあまり効果的な攻撃パターンは作れず、強いて挙げると、大きなロングボールを放り 込むくらいであった。攻め手がないときの典型的なパターンである。
 組織だった攻撃ではないため、ほぼハンガリーディフェンスに読まれているといって良い。特にフィジカル的には大きなアドバンテージを持っているため、取 り残されたフォワード一枚にマークするのは決して難しくない。単純な競り合いに対して日本は非常に分が悪かった。
 中盤の展開はハンガリーが数段早く、日本はあまりボールをキープできない。この流れを90分間維持すれば、おそらく大差で日本を完封できると思われた。
 一方の日本は、藤田選手の飛び出しやサントス選手のフリーキック、久保選手の切り替えしからのシュート(ファインセーブに阻まれた)など惜しいシーンも いくつか見られたが、手数としてもハンガリーが圧倒していたのは認めなければならないだろう。

後半
 後半開始8分、ゴールライン際のFKをちょこんと技ありで合わせられ決められる。これは福西選手のマークも甘かったが、決めた選手を誉めて良いだろう。
 このゴールが効いたのか、旅の疲れ(ラモス氏談)からか、とりわけ直前合流のジュビロ組の勢いがなくなりはじめる。後半17分、ここで西選手に代わり加 地選手、福西選手に代わり三浦選手を投入する。
 後半22分、左サイドの大きなフリーキックを坪井選手があっさりフリーにさせゴールを許す。ますます試合はハンガリームードへ。
 後半27分、藤田選手に代わり、本山選手を投入する。これがまた大当たり、中央でキープできるようになる。右サイドに加地選手がオーバーラップし、中央 の久保選手へクロス、本山選手につなげ、中央の玉田選手に何とかつなぎ、執念でゴール。続く32分、またも本山選手のスルーパスを久保選手が決め同点に。 その後もミスは多いが、リズムをつかみいくつか惜しい展開を作り出す。
 しかし、今日の流れは最後でハンガリーに傾いた。ペナルティエリア内で茶野選手が相手ディフェンスをつき倒し、PKをとられ、失点する。  

まとめ
 放送でごまかされている感もあるが、はっきり言って今日の試合は非常にひどかった。主な戦術は個人間レベルのものであり、チームとしてどういった目的を 持って努力しているかがまったく見えてこない。得点できたのは、日本のオフェンス陣のスピードがハンガリーに比べて勝っていたくらいの理由しかない。ハン ガリーディフェンスは頑強ではあるが、足元の早いボールにはややおぼつかない面が見られた。FIFAランキング77位では、何かしらこういった致命的な弱 点があるのだろう。その弱点を突いたことは評価できる。
 本山選手と三浦選手と加地選手の投入が大当たりで同点に追いつき、不運とも言えるPKで決勝点を許したとも解釈できる(ただし、筆者は本山選手のダイビ ングとも考えられるので、特別不運とは思わない)。この辺は神様と呼ばれるジーコ監督の強運を尊敬するしかない。しかし、格下相手にチームの目指すべきビ ジョンが伝わってこないような内容では、次の強豪チェコ戦ではどれだけ悲惨な内容・結果になるか想像もつかない。今のところ、成長もなくただ刹那的に可も なく不可もないような試合をこなしているようにしか思えない。

放送陣に対して
 私は先日のテレビ東京の放送を評価したが、今夜は悪かった。日本を応援する気持ちがあまりに先行しすぎて、盲目的に試合の状況を把握できていなかった。 ただし、テレビではあまり厳しい意見を言えないため、こういったフォローの仕方は止むを得ないと思う。


採点の比較

右の列の赤字部分は「サッカーマガジン」より引用して いま す。


私の採点
サッカーマガ ジン
楢崎正剛 6.0
5.5
坪井慶介
5.0
5.5
田 中誠
5.5
6.5
茶 野隆行 5.5
6.0
西 紀寛 5.5
5.0
→ 加地亮
6.0
6.5
遠 藤保仁
6.0
5.5
福西崇史
5.5
5.5
→三浦淳宏
6.0
6.0
三 都主アレサンドロ
5.5
5.5
藤田俊哉(cap) 6.0
5.0
→ 本山雅志 7.0
7.0
久 保竜彦
6.5
6.0
玉田圭司
6.5
6.0

 本日のMVPは短い出場時間ながらも、盛り返しの要因となった本山選手である。それ以外については、2得点したフォワードはもちろん、自分の意志を持っ て攻撃的なプレイした加地選手らを評価するしかない。ただし、攻撃的過ぎて周囲との連携に問題があったのも差し引いた。2失点について、突然の3バックに それなりの完成度を示したのは立派だが、やはり細かいマークなどで防げたと思えるので厳しくつけた。



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