2004年4月28日(水曜日/天候) 国際親善試合

プラハ@スパルタプラハスタジアム

 日本 vs. チェコ
(1-0)

得点者
久保(前半32分)

警告
加地(後半12分)

日本テレビ
解説/武田修宏 キャスター/河村亮

<日本代表メンバー>
GK:1 楢崎正剛
DF:3 坪井慶介、22 田中誠、5 茶野隆行
MF:8 西紀寛→21 加地亮(後半0分)、6 稲本潤一→4 遠藤保仁(後半20分)、
18 小野伸二→15 福西崇史(後半36分)、14 三都主アレサンドロ→17 三浦淳宏(後半36分)、
16 藤田俊哉(cap)→19 本山雅志(後半36分)
FW:11 久保竜彦、20 玉田圭司→13 柳沢敦(後半18分)

「会心の勝利〜ついに目指す形が見えてきたか?」

展望
 今日は就任から1年半ほど経過したジーコジャパンの審判の日である。相手はFIFAランキング9位のチェコ代表、参考に2002年にW杯で日本が敗れた トルコ代表は同8位であり、ほぼ同じレベルの強豪と考えられる。ジーコ監督がこれまで指揮していたことが、世界レベルでどれだけ通用するのかというベンチ マークになる非常に重要な試合だ。トルコ戦直後の「私が指揮すれば勝てた」といった強気のセリフが有言実行となるだろうか。
 気になる日本のメンバーは、ジーコ監督お気に入りの欧州組が、時差や移動の少ない会場にもかかわらず、皮肉にも相次いで不出場である。おそらく、小野伸 二選手、稲本潤一選手だけが出場可能であろう。また、日本時間の深夜にキックオフということで、国内組は時差ぼけやコンディションが充分回復しているか気 になるところである。体内時計が深夜を指していると、激しい運動に耐えられるほどの体力・集中力は長く維持できなくなる。
 一方のチェコについて、私の予習不足で非常に申し訳ないのだが、EURO2004(欧州版ワールドカップ)のダークホース的な存在であり、優勝の経験も あるという。この試合にほぼベストメンバーを揃え、モチベーションも高いようだ。また、バロンドール(いわゆる欧州におけるMVP)を獲得した司令塔のネ ドベド選手をはじめ、世界で一線級の選手が多く揃っている。試合の見所は、チェコの素晴らしい世界クラスのプレイと言っても良い。この試合を経て、 EUROが目の肥えたファンを獲得するかもしれない。
 今回ばかりは、私は日本代表よりもチェコ代表を応援してしまうかもしれない。私はアンチ・ジーコであり、一刻も早く解任されることを願ってやまないから だ。また、私は基本的に華麗なプレイであれば、国籍は問わないということもある。欧州のサッカーの歴史からすれば、日本のサッカーはまだほんの幼い少年に 過ぎない。
 この試合、日本が勝てるはずがない、0-3でいいところなく完敗することだろう。もし自分たちのプレイ(それが何かと問われると困るが、 あえて言えばボール・ポゼッションだろうか)をアウェイでも続けることができれば、たとえ世界との差が明らかになろうとも、それだけで大きな価値があろ う。今夜、私たちは、100年以上のサッカーの歴史、世界の壁、ジーコ監督の無策さを思い知らされるであろう。2006年のワールドカップに向けて、日本 がどれだけ遠回りをしてしまったのかを悟ることになる。

予想スタメン

川口
坪井 田中 茶野
西 小野 稲本 三都主
藤田(cap)
久保 玉田

 システムは3-5-2、小野選手と稲本選手がダブルボランチで、藤田選手が司令塔となる。ジーコ監督はハンガリー戦での感触をあまり壊したくないだろ う。

前半
 試合開始直後、チェコの早いパス回しに手間取り、最終ラインも危うく崩されそうになり(オフサイド)、早くも不穏な空気が漂っていた。
 しかし、10分を過ぎたあたりから、日本の出だしの鋭い動きが功を奏しはじめる。チェコは体格とパス回しに関しては大きなアドバンテージがあるようだ が、日本のスピードはそのハンディを補って余りあるものがあった。フォワードは1対1の対決では、スピードで勝負して分があった。しかも、狡賢く徹底して この弱点をつくことができた。 チェコの正確なクロスや、中央での細かいパスなどの攻撃に対しては、徹底的に引いてゴールマウスを守り、非常に組織立った 素早い対応で少しでも好きにやらせないという姿勢が見られた。何とか守り抜くことでさらに勢いとスピードに乗る。PKとも思われる反則も犯したが、これも その勢いで突破する。
 そして32分、久保選手がサイドから切り込み、キーパーの逆サイドをつく素晴らしいシュートでゴールする。チェコはようやくエンジンがかかるも、先手を 取られたことは決して小さくなかった。

後半
 チェコはキープレイヤーであるネドベドとロシツキーを除いて7人もの選手交代を行った。日本の早いプレス対策なのだろうが、逆にちぐはぐさも見られ、 ペースは完全には握れない。
 一方の日本は、前半に責められた側だった西選手を交代させ、さらに余裕からか稲本選手と玉田選手を下げた。さすがに稲本選手を下げたのが効いてきたか、 次第に日本が守勢に回り始める。
 しかし、チェコの猛攻に対して、守護神楢崎GKが神がかり的なファインセーブを連発し、ディフェンスは非常に粘り強いプレイで失点を免れた。何失点かし ていても決して不思議な内容ではなかったが、この日の日本とジーコ監督は絶好調だった。このような勢いがあるチームには、やはり神風が吹きやすい。

まとめ
 ジーコ監督が指示したのかどうかわからないが、3-5-2のプレススタイルが見事にはまり、格上のチェコを撃破したのは驚くべき結果である。決してベス トメンバーとは言えないのだが、これがまぐれだと言われないためにも、次のインド戦もこれ以上の内容と結果を残してほしいものだ。
 なぜかはわからないが、チェコは身体の切れが悪く、シュートもことごとく枠の外に飛んでいった。致命的だったのは、ボールに対する反応が日本より数段遅 れていたことだ。そのためファーストタッチにはほぼ完敗、1対1でも勝ち目はなかった。一般に、こういった状況のように、先手を許しているチームが勝つ見 込みはほとんどない。先にボールを奪われてしまえば、自分たちのプレイは出来ず、常に後手に回り、相手の思うようにプレイされてしまうからだ。いかにチェ コが格上であろうと、これではせいぜい数割程度の力しか出せない。一方の日本は、勢いに乗り数割増しになる。
 なぜ突然にこのプレススタイルが開花したのだろうか。ジーコ監督がハンガリー戦にも見せなかったこういった戦術を授けたとは考えにくい。とすれば、これ はトルシエ監督の遺産ではないだろうか。3-5-2、早いプレスなど今日見られた動きは、ワールドカップの時に習得し、当時の日本が得意としていた戦術で ある。体格的に劣る日本人が相手を翻弄するには、こういった組織力でカバーするしかない。それがこの日のボールに対する素早い反応ではあろう。これがチー ム全体として共通理解されていたのは、まさに驚嘆に値する内容である。足元の処理がややおぼつかず、ボールに対する読みや反応が鈍いチェコにとっては天敵 以外の何物でもない作戦であった。なぜかはわからないが、日本代表は何時の間にこれほどまでにものすごいレベルにまで達してしまったのだろうか。それとも 現在のような中盤の層が厚いチームにこのシステムは相応しいからなのだろうか。
 ただし、このスタイルにも弱点がある。ギリシャ選抜戦の展望にも記述したように、この作戦は、逆サイドへの展開と、露骨にフィジカルに訴えかけるプ レーに弱い。もし厳しいプレスの逆サイドを狙われたり、ボールを奪いに行くところを身体を張って防がれてしまうと、案外もろい面もある。
 いずれにせよ、この作戦は日本の最も得意とする部類と考え、今後もこれをベースに洗練させていけるだろう。この作戦で活躍できるのは、どっしりと構える ポスト系の選手よりも、久保選手や玉田選手のような、スピードのある選手なのだ。トルシエ時代の森島選手のような存在だ。
 ベストメンバーでなくともチェコを撃破したことに自信を持って、今回がたまたまと言われないように、この調子で成長してもらいたい。今日のレフェリーは 中立的というか、それほど多く笛を吹かずやや日本よりだったような気がしないでもないが(私はこのレフェリーが好きだ)、それも含めて運も味方したジーコ ジャパンのベストマッチであった。


放送陣に対して
 スタッフとしてもそれなりに良い仕事をしなくても問題ないような好試合だったのを差し引いても、私はこの日テレの放送に合格点を与えたい。試合中に適切 な資料を表示することで、理解を促すことは適切であり、武田氏も入念な予習をしており、視聴者は試合内容をより深く理解できただろう。
 ただし、もちろん改善の余地はある。日テレ特有の胡散臭さというか、誤魔化し、乱暴なコメントが1つでも聞かれるのは、きちんと理解していない証拠に なってしまう。例えば、ネドベド選手とロシツキー選手が中心人物であることは納得できるとしても、河村氏が後半に、「他はオプション、チーム力は変わりま せんね」と突然に断言することは、素人が何もわからないくせにほらを吹いていると思われてしまう。また、「(チェコの応援楽器である)ホルンの音の大きさ は、チェコのストレスの大きさです」というのは、チェコ代表のファンに失礼極まりない。仮に日本代表が劣勢で、日本のサポーターが大きな声を出していると き、相手チームのアナウンサーが「日本のサポーターはストレスを感じています。だから大声です。」とコメントすれば、ファンの気持ちを否定する極めて無礼 だと感じないだろうか。
 根本的に、日テレさんはこのような排他的な文化を持ち合わせているので、私は国際的なサッカーの放送はご遠慮願いたいと思っている。ただし、今日の放送 は、試合内容にも救われた感があるにせよ、特に日本が押している時間帯は落ち着いた実況だったのは事実である。

採点の比較

右の列の赤字部分は「サッカーマガジン」より引用して いま す。


私の採点
サッカーマガ ジン
楢崎正剛 7.5
7.5
坪井慶介
6.0
6.5
田中誠
6.5
7.0
茶野隆行
6.5
6.5
西紀寛
5.0
5.5
→加地亮
6.0
6.0
稲本潤一
7.0
6.5
→遠藤保仁
5.5
6.0
小野伸二 6.5
6.5
→福西崇史
-
-
三都主 5.5
6.0
→三浦淳宏
-
-
藤田俊哉
6.0
6.5
本山雅志
-
-
久保竜彦
6.5
7.0
玉田圭司
6.5
6.5
柳沢敦
5.5
6.0

 今夜のMVPは数失点を防いだ楢崎GK、準MVPは該当者多数のためなしとする。今夜は悪い選手の方が圧倒的に少ないくらいのベストマッチである。
 ディフェンスは序盤非常に危うく、ミスがなかったわけではないが、粘り強いディフェンスで結果的に失点0に抑えたのは評価できる。
 西選手は前半唯一といっていいほど悪くて目立ってしまった選手である。攻撃も守りも中途半端でミスが多かった。加地選手の投入は結果論で言うと、ややタ イミングが悪かったか。攻撃的な選手を投入するならば、もう少し工夫があっても良かったように思う。稲本選手は反応が素晴らしく、フルハム正式契約に向け て大きなアピールとなる出来だった。遠藤選手を稲本選手と比べるのは酷であるが、後半劣勢になってしまったのは止むを得ないか。小野選手も準MVP候補の 一人である。パスワークは別格であった。福西選手は出場時間が短いため採点不能。ただし、あえてすればあまり良い結果ではなかった。サントス選手はプレイ が雑で、ミスが多く何をしたいのか見えてこなかった。三浦選手は出場時間が短いため採点不能。藤田選手はシュートが少なく目立ちはしなかったが、パスはま あまあだった。久保選手は後半目立たなくなったが、何だかんだでゴールしたのは素晴らしい。玉田選手はこの東欧遠征の大収穫。ハンガリー戦で自信をつけ、 この日も自信を持ってスピードで勝負していた。柳沢選手はオフサイドになった最初で最後のチャンスのみ。



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