「マイペースな完勝」
展望 FIFAランキング9位のチェコを破り、ベストメンバーのイングランド(FIFAランキング12位)に対して親善試合とはいえ互角以上の戦いをし、勢い に乗る我らがジーコジャパンが、FIFAランキング139位のインドをホームで迎え撃つ。 親善試合でいかに白熱した試合をしようとも、この本番で結果を残せなければ意味がないとはいえ、チームの雰囲気も良好なようで、十分な練習時間を取れた ジーコ監督も自信を持ってこの試合に望めるようである。 ジーコ監督明言スタメン ポイントは、これまでの展望でも述べてきたような格下相手の戦法ということだ。相手は引分を狙ってくるため、徹底してゴール前にへばりつき、一部のフォ ワードの選手だけをトップに張らせる典型的なカウンターアタックを狙ってくる可能性が高い。 いかにしてその厚い守りを崩すかについて、相手に守りを固められる前の速攻、より早いパス回し、ミドルシュートなど、そういったさまざまな戦術に関して は、十分ジーコ監督に指示され、共通理解も万全であろうと予想できる。日本のディフェンスについては、飛び出すフォワード(インドのベッカムと言われる背 番号15のブティア選手)の対応も完璧で、キーパーも暇になり、採点するのが難しくなるような万全の守備に期待している。 これまでの苦戦してきたオマーン戦、シンガポール戦の日本代表は、現在の日本代表とは全くの別人である。より早い時間でより多く得点すればするほど、イ ンドの戦意は致命的に殺がれるはずだ。インドには、一度折れてしまった心を修復できるような技術・精神力はないだろう。日本の早いプレイスタイルにもつい ていけないはずだ。唯一注意したいことは、相手の汚い反則で負傷することくらいである。 オマーンがインドに対して5-1で勝利していることから、少なくともそれ以上の大差で勝利し、プレッシャーを与えたいものである。この試合6-0で日本 の勝利と予想する。調子に乗ることができれば、二桁得点やハットトリックも決して夢ではない。 前半 シンガポール戦を勉強してきたのか、インドは先手必勝パターン、早い時間で日本の出鼻をくじくことを意識し、積極的にシュートを放ち、勢いもある。しか し、基本能力は数段日本の方が上で、そんな勢いだけでどうにかなるというような実力差ではなかった。 13分、サントス選手のロングクロスを久保選手がボレーシュートで決める。これで多少日本イレブンは落ち着くことができた。 25分、中村選手のクロスを久保選手がポストプレイ、最後は福西選手がヘディングで押し込みゴール、これで勝利はほぼ確実になった。さらに29分、久保 選手がペナルティ・エリアのほぼ中央で倒されFKのチャンス。これを中村選手が決め3点目となる。その後も一方的な展開が続くが、得点までには至らなかっ た。 後半 膝の調子が思わしくないのか、前半に充分な働きをしたからなのか、久保選手を下げ、鈴木選手を投入する。 9分、中村選手のロングボールを玉田選手が巧みなドリブルでシュートし、ゴール。鈴木選手にたまたま当たったが、私は玉田選手のゴールとする。これまで も積極的に突破を図り、彼らしいチームを勢いづかせるような得点だった。 日本代表は次第に運動量が落ちてくる。ここで宮本選手を下げ、小笠原選手を投入する。4バックというよりは、事実上の2バック、もっと点を取って来いと ジーコ監督のメッセージなのだろう。 一方的な展開はほとんど変わらない。 20分、ほぼコーナーキックのような右サイドのFKから中村選手がセンタリング、中澤選手が足で決めゴール、インドはマークも甘い。 あまりに一方的な展開は変わる気配がない。 23分、小野選手の右サイドを切り裂くパスを加地選手が受け、小笠原選手につなぎ、キーパーをかわしゴール。 ここで小野選手を下げ、豊富な運動量で流れを変える意味もあろう、藤田選手を投入する。 32分、中村選手のCKから中澤選手が今度はヘディングでゴール、空中戦でも負ける気がしない。 しかし、その後さらにスタミナも落ち始め、パスの供給者がいなくなり、やや攻め手に欠く時間帯が続く。ボール支配率は圧倒的だが、ゴールにまでは辿り着 かなかった。 まとめ 今日のレフェリーは、イエローカードを出さない傾向にあった。インドは苦し紛れなのか、単に格下だからわかってないのか、とにかく悪質な反則をすること が何度かあった。教育的な意味でも、日本を保護するためにも、もっとカードを出すべきであった。 ワールドカップ予選において、内容はともかく勝利ほど価値のあるものはない。これだけの格下相手にこれだけの大差ならば、それほど批評することはないと いうのが正直なところであるが、実況陣のセルジオ越後氏らが口うるさく指摘していたように、もっと貪欲に得点できた可能性は非常に高かった。 今夜のインドは、予想されたように、日本に勝る才能はほぼ皆無に等しかった。であれば、個人技で突破し、果敢にシュートを狙っても良かっただろう。空中 戦、パスワーク、1対1、スピード・・・どんな攻撃でも通用するのだから、華麗なプレイでなくとも我を出して積極的にシュートを打っていけば、今日のザル のようなゴールキーパーならばかなり高い確率でミスを犯し、得点に結びつくと思われた。あまりに丁寧にやりすぎ、その結果シュートが欠乏気味で大人し過ぎ てしまったというのが私の評価である。 また、丁寧に崩すのならば、最小の手数で最大の結果を得られる手段を狙う選択肢もあった。もし私があのピッチでプレイしていたと仮定すると、相手に次の 展開を読む能力が完全に欠落しているため、ゴール前でのワン・ツーで裏を狙ったかもしれない。他にも、リズムを変える意味でも、もう少し中央でのひねりを 加えるプレイが欲しかったものである。そのような多様な攻撃をされると、相手チームの士気は著しく衰えるため、ますますプレイがしやすくなるものだ。良く も悪くも自分たちの攻撃を続け、このスコアで勝利した結果にほとんど文句はないが、相手が嫌がる攻撃を執拗に続けなかった、それだけ懐の深さを示せなかっ た内容には多少不満が残る。それは中田選手がいないからなのだろうか? 放送陣に対して これだけのワンサイドゲームならば、解説も大して必要とされないのは止むを得ない。しかし、セルジオ越後氏は誰が得点したかを正確に把握しておらず、飲 み屋のおっさんのようなノリだったのはいただけない。試合の影響はともかく、実際に聞いていてもあまり価値のないような応援と説教だけだった。こうすれば もっと得点できる、こうすればインドのペースがもっと落ちるなど、試合を通じて分析的な視点をもっと聞きたかった。 採点の比較右の列の赤字部分は「サッカーマガジン」より引用しま す。
このような大差の試合の採点も予選ならではの珍しさ、難しさであろうか。MVPを一人に絞るのは難しいが、1点目の重要なゴール、PKも含めれば2アシ ストの久保選手であろうか。ならば、僅差で準MVPは2得点と攻撃陣顔負けのセットプレーの強さを示した中澤選手とする。 悪い選手を探す方が難しく、何を基準に判断すべきか悩ましいところであるが、私がより評価するのは、格下相手にいかに得点に対する意欲があり、結果を出 したかということにした。 川口選手は、数えるほどしかボールを触るシーンがなかったが、すべてのシーンで落ち着いた対応を見せたことを評価。 ディフェンス陣も同じようにあまり活躍する場所がなく、いくつミスがあったものの、結果的に無失点で抑えたことを考え、マイナスにはならない。欲を言え ば、ロングボールで攻撃の起点となる攻撃がもっと見たかった。坪井選手は中澤選手が上がったときにも最後の砦として残っていたため評価は難しいのだが、数 少ないプレイで確実な処理をしたことを評価。宮本選手は浮き球の処理の弱点が露呈。トラップミスもあり、らしくなかった。 加地選手は、クロスボールの精度が悪く、攻撃の起点としては左サイドが多かった。福西選手は稲本選手の代わりとしてワンゴールは見事。ただし、やはり見 劣りする感じはあった。小野選手は直接得点には絡まなかったものの、パスの供給主として大活躍したことを評価。藤田選手は本調子ではないのだろう。交代し てリズムを変えるまでにはならなかった。サントス選手はパスの需要者として活躍した。ただ、得意のドリブルなどで自分で突破することもできたことは惜しま れる。中村選手は5得点に絡む大活躍、特にキッカーとしての完成度は素晴らく、準MVP候補であった。しかし、先日のイングランド戦で見せたような、こい つにボールを持たせたらやばい、というプレッシャーを与えることはできず、パスの裁き屋としてどちらかというと大人しい印象だった。その分私の点数は辛 い。 久保選手は代表で現在不動のフォワードである。鈴木選手はこれといったアピールにはならず。フォワードのオプションとして、今日の出来ではやや物足りな い。玉田選手は、積極的に攻撃する姿勢が好ましく、久保選手との相性も良いようだ。本番での得点で今後にも期待できる。 ジーコ監督は、2週間の合宿期間を経て解任論を完全に吹き飛ばしたと言っても言い過ぎではない。カードの切り方も適切で、選手にもそのメッセージが伝 わったことだろう。貪欲な姿勢は選手以上だった。 |
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