2004年7月9日(金曜日/曇) キリンカップサッカー2004

広島ビッグアーチ

日本代表 vs. スロバキア代表
(3-1)

得点
福西(前半45分)
鈴木(後半21分)
柳沢(後半37分)

失点
バブニッチ(後半20分)

警告
鈴木(前半27分)
ジョフチャーク(前半33分)

レフェリー
オーストラリア人

日本テレビ
解説:武田修宏、ピッチ解説:北沢豪、実況:鈴木健


<日本代表メンバー>
GK:23 川口能活
DF:2 坪井慶介→3 田中誠(後半3分)、5 宮本恒靖(Cap)、22 中澤佑二
MF:21 加地亮、4 遠藤保仁、15 福西崇史、14 三都主アレサンドロ→17 三浦淳宏(後半36分)、
10 中村俊輔→8 小笠原満男(後半42分)
FW:11 鈴木隆行→19 本山雅志(後半33分)、20 玉田圭司→13 柳沢敦(後半33分)

「夏バテ気味の勝利」

展望
 7月下旬から始まるアジアカップに向けての調整試合である。
 我らが日本代表(FIFAランキング24位)は招集されるとなぜか負傷する選手が多く、ベストコンディションのベストメンバーを組むことは難しいようである。一方、対戦相手のスロバキアはFIFAランキング66位、日本代表と同様に、海外組不在のベストメンバーでないようだ。また、スロバキアは7日に来日したばかりだそうだ。予習不足で申し訳ないがそれ以外はほとんどよくわからない。
 この日の課題は、ベストメンバーではないながらも、チェコ戦やイングランド戦で見せたような戦い方に如何に近づけ、それを洗練させることができるかであ ろう。ジーコ監督就任から2年ほどしてようやく掴みかけたチームコンセプトであり、この2試合の内容はこれまでのベストマッチ、EURO2004に比べても決して見劣りすることは ない。より相手の陣地の深い位置で組織的なプレスをかけてボールを奪い、スピード溢れるパスワークなどができれば、スロバキアと少なくとも互角以上に戦えるはずである。ただし、久保選手、稲本選手ら最近の好調を支えてきた選手が負傷欠場しており、代役の選手にとっては、やや肩の荷が重過ぎることは否めない。

 ジーコ監督の是非についてここで議論することは避けるが、先日日本テレビの北沢氏との対談で、「監督は相手チームの重要な情報を教えるだけで、選手がそ れに対応するために自分で考えなければならない」といったコメントを残していた。私個人としては、やや放任主義的な印象を受けるが、現在この監督が指揮を 執っている以上、多少個人偏重気味の監督だと解釈し、これまで積み重ねてきたものをさらに磨き、成長するしか道は残されていない。
 この試合の結果がジーコ監督の解任には直接結びつくことはないとはいえ、ここで後味の悪い試合をすると、アジアカップに影響が出ないかという不安はあ る。私としては、ノルマとしてアジアカップの優勝を求め、それでジーコ監督の進退を決めても良いと考えている。ジーコ監督が無能な放任主義者なのか、それ とも個人主義的なプレイを好む有能な監督なのか、そろそろ見極めができるころだ。

ジーコ監督による公開スタメン

川口
宮本 坪井 中沢
福西  遠藤
加地      三都主
中村
玉田 鈴木

 スロバキアの直前の来日では、酷暑のような日本の気候には対応できないだろう。おそらく、後半の早い時間にスタミナ切れを起こすと予想される。我らが日本について、守備は比較的安定しているものの、一方の攻撃力は主要メンバーの欠場もあり、共通理解の乏しさ、精度の低さなど、やや物足りなさを感じさせるかもしれない。
 この試合、期待も込めて3-0で日本の勝利と予想する。控えに甘んじていた選手らがどれだけやれるか、こういった状況におけるジーコ監督の手腕についても、アジアカップに向けてサポーターが安心できるような試合内容に期待したい。私が特に注目しているのは、攻撃の軸となる中村選手の出来である。
 
前半
 省エネな出だしであった。組織性はなく、スピードもなく、攻め手を欠く時間が続く。一方のスロバキアはマンマークは非常に厳しく、ラインを高く保つことで裏への飛び出しの対応も良く統率されている。
 異常な暑さのためなのか、両チームともすでに後半のような運動量の少なさで、日本はらしくない初歩的なミスを連発してしまう。例えば、中村選手はヘディングをミスり、弱いパスをかっさらわれ、あわや失点というシーンを献上してしまった。攻撃でも鈴木選手は裏に飛びぬけるもトラップミスでチャンスをつぶしてしまった。
 気だるい雰囲気の前半終了間際、中村選手のCKから福西選手が決めたことは嫌な流れを断ち切るという意味でも良いタイミングだった。

後半
 後半開始早々、坪井選手が後ろから相手に突き倒され負傷退場してしまう。レフェリーは見逃したのか、カードは出なかった。いずれにせよ、攻撃力が乏しく疲労したスロバキアを止めるにはスクランブルディフェンスラインでも充分だった。
 戦前の予想通り、スロバキアの足が止まり始めたようだ。さすがに相手の得意なフィジカル勝負には分があるものの、攻撃の手数は明らかに減った。さすがに前半と同じような攻撃やワン・ツーもより楽にできるようになった。
 後半20分、スロバキアのCKから宮本選手がヘディングをクリアし損ない、1点を献上してしまう。しかしその直後21分、追いつくシーンに強いのか、中盤あたりから遠藤選手の早いリスタートから、中村選手のスルーパスを鈴木選手が裏でもらい、再びリードに成功する。
 その後、展開に時間がかかってしまうと、スロバキアのフィジカルを生かしてしまうため、攻撃は失敗に終わることが多かった。スタミナ切れなのか、早いパス回しが有効であるのに活用できなかったのは悔やまれるところである。
 後半37分、柳沢選手のゴールは棚からぼた餅的なラッキー以外の何物でもないが、向かう姿勢は評価できるし、ゴールして損することはないので、次の試合に期待できるだろう。

まとめ
 勝ったことは喜ばしいことだが、その価値はあまり高くない。はっきり言って、スロバキアは下位J1くらいの力量であり、J1の単独チームでもおそらく互角以上に戦える相手だった。その特徴は、私が情報を仕入れそこなった(展望を書き上げてから体格のことを知ったので)フィジカルに強いということ、それを生かしたマン・ツー・マンディフェンスくらいであっただろうか。
 宮本選手がCKをかぶり、ヘディングを許してしまったことは言うまでもなくいただけない。私が指摘したいのは、今日の試合の気だるさを醸し出した単調な攻撃である。相手は4バック以上でやや高めのラインを保ち、サイドアタックにも対応し、どっしりマンツーマンディフェンスで構えていたのである。おそらく、彼らにスピードのある展開に追いつく能力はなかっただろう。ならば、サイドからのクロスボールや低い位置からのロングボールを放り込み、ヘディング勝負や肉弾戦に持ち込むのは下策であった。むしろ、早い展開、バイタルエリアでのワン・ツー、逆サイドへの展開など、相手を疲れさせ戦意喪失してしまうような攻撃を執拗に続けるべきだった。日本代表の力量は明らかに優位だったが、脳味噌の発想の優劣はつけがたいものがあった。
 主力選手を欠いての試合であえて厳しい注文を言わせてもらうが、この程度の試合内容では、EURO2004など欧州のサッカーを見慣れたファンを満足させることは難しいし、アジアカップやワールドカップに向けて納得できるかと言われると、不安は解消されていないことを認めざるを得ない。勝利に対する必死さがイマイチ伝わってこなかったのは、相手が温すぎるためだと思いたいところである。
 今夜のオーストラリア人のレフェリーは接触プレイに対して相当甘かった。それを踏まえれば、良い場所でのFKはあまり期待できないので、尚更スピード勝負しても良かっただろう。

放送陣に対して
 私はこの勝利に対してやや否定的なポジションである。上っ面だけの勝利はぬか喜びに他ならないからだ。その点で、日テレの放送とギャップがあることは認めよう。解説しているようで解説していないごまかされたような放送の仕方には巨人の臭いがするため、私は嫌悪感を覚える。彼らは日本代表はすごいと言いたいだけで、試合内容やなぜそういったプレイになるかといった背景には関心がないようだ。実況はプレイしている選手の名前をほとんど呼ばないし、解説は「6バック気味である」といった情報くらいしか有用なものはなかった。


採点の比較

右の列の赤字部分は「サッカーマガジン」より引用しています。


私の採点
サッカーマガジン
川口能活 6.0
6.5
坪井慶介
6.0
6.0
→田中誠
6.0
6.5
宮本恒靖
5.5
5.5
中澤佑二
6.5
6.5
加地亮
5.5
5.0
遠藤保仁 6.0
6.0
福西崇史
6.5
6.0
三都主アレサンドロ
5.5
6.0
→三浦淳宏
-
-
中村俊輔
6.5
6.5
→小笠原満男
-
-
鈴木隆行
6.0
6.0
→本山雅志
-
5.5
玉田圭司
5.5
6.0
柳沢敦
6.5
6.5
ジーコ
6.0
6.5

 このような格差のある相手に対して凡戦になったため、MVPは存在しない。あえて期待を感じさせるような選手を挙げれば、守備に安定感を見せ攻撃も積極的だった中澤選手であろうか。一応次点として、運にも恵まれごっつぁんゴールを決めた柳沢選手も褒めるべきであろうか。
 ディフェンスについて、相手の攻撃力はJ2に毛が生えた程度だったのである意味難しいものはある。宮本選手がヘディングをミスしたのは致命的、最もやってはいけない失点だった。川口GKにあれを取れというのはやや厳しいと思うが、もう少しでファインセーブになりそうな惜しいプレイだった。それを差し引いて6.0とした。坪井選手は前半ほとんど仕事がなかったが、結果的に無失点に抑えたことは良い。田中選手も同様である。中澤選手はディフェンスは現在最も安定しており、オーバーラップなどの攻撃参加も良いがイマイチ破壊力に欠けるのが惜しまれる。
 中盤について、今夜のボランチは小野&稲本コンビに比べると相当地味な印象がある。彼ら二人は私の好きな選手なのだが、控えの二人では守備力はともかく攻撃力が格段に劣ることは否めない。私の中では現在小野&稲本は不動である。ウィングは完全に不発。縦への突破を封じられ、スピードもなくクロスボールもフィジカル的に分が悪かった。オマーンが同じような戦術を取ったときが非常に心配である。司令塔の中村選手は2アシストの活躍を考慮したが、イングランド戦で見せたような創造的なプレイがあまり多くなかったことには正直物足りなさを感じた。
 フォワードについて、鈴木選手は1得点の結果を評価するが、それ以外は散々な内容であった。裏への飛び出しもトラップミスなどで潰し、レギュラーへのアピールにまでは至らなかった。玉田選手は得点以外については鈴木選手の内容に若干勝る。コンビネーションなどの問題もあり、やや孤立気味になってしまった。スピード勝負を試みるも大柄な相手に対してやや苦戦したように思う。柳沢選手は今夜のような美味しいシュートが良く似合う。短い出場時間であったが、これをきっかけに調子を取り戻して欲しいものだ。その他の出場時間が短い選手は評価できない。
 ジーコ監督はスタミナに余裕のある選手の投入をもう少し早めても良かったように思う。しかし、主力を欠きながらもとにかく結果を残したことだけは評価したい。
 


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