2004年7月14日(水曜日/晴) 国際親善試合

豊田スタジアム

(U-23)日本代表 vs. (U-23)チュニジア代表
(0-1)

得点
なし

失点
ルタイフ(前半47分)

警告
なし

レフェリー
オーストラリア人

TBS
解説/水沼貴史 高木琢也 キャスター/清水大輔

<U-23日本代表メンバー>
GK:1 曽ヶ端準(Cap)→23 川島永嗣(後半0分)
DF:21 菊地直哉、2 田中マルクス闘莉王→5 阿部勇樹(後半0分)、3 茂庭照幸
MF:24 駒野友一、17 前田遼一→11 田中達也(後半17分)、13 鈴木啓太、
7 森崎浩司→14 石川直宏(後半0分)、10 松井大輔
FW:9 高松大樹→26 平山相太(後半0分)、20 坂田大輔→8 山瀬功治(後半32分)

サブ:12 林卓人、18 黒河貴矢、22 岩丸史也、4 那須大亮、
16 北本久仁衛、25 徳永悠平、6 今野泰幸、15 根本裕一、19 大久保嘉人


「現戦力でメダルは厳しい」

展望
 16日にアテネオリンピック本戦の最終18人が発表されるが、泣いても笑ってもその直前の最終マッチである。相手はFIFAランキング35位、アフリカのチュニジアである。オリンピック本戦におけるアフリカ勢のガーナとの戦いをシミュレーションしたものであろう。この試合のポイントは、アフリカ特有の身体能力対策がどれだけ通用するかと言うことだ。
 山本監督はトルシエ監督の下でヘッドコーチを務め、競争心を煽り、非常に合理的な采配をする。沖縄で暑さ対策などの合宿を張り、死のB組(パラグアイ、イタリア、ガーナ)を生き残るための対策もすでに意識しているはずだ。
 18人と枠が少ない中で、負傷や累積警告などによる欠場の場合はもちろん、ベストコンディションにおいてもより多くのオプションを確保できるよう試合に望んでくるだろう。チーム戦術のみならず、個人戦術として複数のポジションをこなせることが求められており、本番にはより多彩な攻撃の手段が実現できるだろう。
予想スタメン

曽ヶ端
徳永 闘莉王 那須
鈴木  前田
駒野      森崎
坂田 高松 松井
 戦前の情報によれば、この日は3トップ(3-4-3)のオプションを試してみるようである。必ずしもベストかどうかは定かではないが、4バックの対戦相手に応じた選択肢の1つと言われている。このフォーメーションで極端に戦力が変わることはないだろうが、仮に苦戦するようなことがあれば、後半くらいから選手を交代させ大幅なシステム変更を行うだろう。
 フィールド(GK以外の)のOA枠を除いた最後の試合、レギュラー争いの勢いと、沖縄での合宿効果に期待して、2-0での勝利と予想する。

 今現在、私の予想18人は以下の通りである。
GK:黒河貴矢、曽ヶ端準(OA)
DF:田中マルクス闘莉王、那須大亮、徳永悠平、茂庭照幸、北本久仁衛
MF:小野伸二(OA)、今野泰幸、森崎浩司、松井大輔、阿部勇樹、前田遼一、駒野友一
FW:田中達也、大久保嘉人、高松大樹、高原直泰(OA)

前半
 両チームとも1.5軍くらいのスタメンである。
 序盤から両チームの攻撃が激しく、チュニジアは3本目のCKで日本のミスにもう少しで得点できそうだった。一方の日本も、単発ながら前線にロングボールを放り込むのだが、坂田選手のミスにより勢いに乗ることができない。
 日本の攻撃は単発ばかりでなかなかシュートまで持ち込むことができず、チュニジアの守備が優れていることを裏付けているのだろう。しかし、日本の守備も粘り強く、危ういところで失点を免れている。
 珍しいことに、このチームで中盤が間延びしてしまい、プレスが甘くなり、それが相手のリズムを作ってしまう原因でもあるのだろう。これは今野選手の不在によるものだろうか。日本が中盤でキープできないため、攻撃も大味となり、単調に投げやり気味に前線に放り込む攻撃くらいが精一杯だった。チュニジアディフェンスとしては最も守りやすい攻撃であり、かといって個人技でも決して劣らず、非常に落ち着いていた。
 47分、曽ヶ端選手がクロスボールをキャッチし損ない、チュニジアのゴールを許してしまう。この失点は完全に彼だけのミスだ。

後半
 後半、予想通りシステム変更によって、4-3-3のフォーメーションを試してきた。しかし、さすがにチュニジアの優勢、中盤の支配は変わらない。平山対策を練ってきたのか、彼に対するチェックは非常に厳しく、チームとして良く理解されている。もともと初速のある選手ではないので、そこで取り囲むこともほぼ万全に統率されていた。
 チュニジアはお手本のようなプレススタイルを実行している。日本は好守が切り替わったとき、誰にパスを出すかというターゲットマンが不在なことも、彼らのやりやすさを助長させているだろう。
 しかし、流れを変えたのはやはり田中選手だった。彼の平山選手とのコンビは、チームでも共通理解されているようで、とにかく苦しくても平山選手に放り込み、ポストプレイでスピードのある田中選手に繋ぐという動きが生まれ、チームに勢いが生まれてきた。35分の平山選手のポストプレイから田中選手のスルーパス、山瀬選手のシュートは相手GKのファインセーブと石川選手の詰めの甘さで逃すものの、非常に良い流れを掴むことが出来た。田中選手は少しでもチャンスがあれば積極的にシュートを打とうとする姿勢が素晴らしかった。
 チームの勢いは良くなったものの、しかしながら、チュニジアもリードを守ることは得意なようである。もう少しで得点できそうな予感がなかったわけではないが、実力・内容的には完敗だった。
 
まとめ
 最終選考も兼ねたため両チームとも1.5軍くらいのメンバーだったことを差し引いても、非常に厳しい展開だったことを認めなければならない。はっきりいって、合宿の成果は何だったのかと思わせるような、試合としては期待外れだった。唯一褒められるのが、最後まであきらめない粘り強い精神力くらいであろうか。キーパーのミスを除いて、このメンツでスコアレスドローという結果にまで戦えるようになったことを考えれば、喜ばしいのだが、新しい血を入れない限り、これ以上の成長でメダルを獲得することは夢のまた夢である。OA枠で小野選手と高原選手の合流が非常に待ち遠しい。
 チュニジアはアフリカのチームとはいえ、私の印象はまるで中東のチームのようだった。縦への突破力がパワフルで、フィジカルも相当強く、いわゆるタフなチームだ。アジア最終予選でも苦戦したように、このヤングジャパンはそれほど得意とするタイプではないようだ。
 とりわけ、平山選手以外のFWは、タイトなマンマークのためほとんど前を向くことが出来ず、1対1で勝ち目がなく、相手ディフェンスに圧倒されてしまったと言っても過言ではなかった。
 特に気になったところは、中盤のバランスが悪く、やや間延びしてしまったことである。ボランチが引きすぎていたのか、勘が悪かったのか、司令塔がどっしり構えられなかったのか、いくつか理由があろうが、いずれにせよ理想的なプレススタイルを貫いたのはチュニジアであり、攻勢をより長い時間取っていたのもまたチュニジアである。
 後半、日本の攻撃のリズムが良くなったのは、平山選手のポストプレイと田中選手のコンビが冴えたからと考える。平山選手が捨て石となって、田中選手のようなスピードのある突破は非常に有効だった。この手の攻撃として、バイタルエリアでのワン・ツーなど、こういった攻撃はおそらく五輪本戦でも通用するだろう。日本のカギはスピードである。

 OA枠について、今夜初めて曽ヶ端準選手が投入されたものの、ディフェンス陣とのコンビネーションの問題もあり、致命的なミスを犯してしまった。サッカーは個人競技ではないため、どんなに優れた選手も周りとのコンビネーションも鍛えなければならず、小野&高原選手の一刻も早い合流が望まれる。この二人は欧州でプレイしていることから曽ヶ端選手以上のポテンシャルがあるだろうが、優れた人材がチームに溶け込めるかどうか、必ずしも定かではないことを痛感させられた。
 とはいえ、A代表の創造的なプレイを五輪代表に期待するのはやや酷であろう。小野&高原選手が若き代表のポテンシャルを引き出し、新たなリーダーとして活躍してくれることを願うばかりだ。もしそれが難しいとなると、メダルは絶望的になってしまう。

 今夜のレフェリーは、何枚かイエローカードを出すべきシーンを見逃したが、これくらいならばやや取らないタイプの主審ということで、許容範囲である。ただし、なぜもっと質の高い欧州のレフェリーを召集しないのかは疑問が残った。

 試合終了後、16日の最終発表予想18人は、悩ましいところもあるが以下の通りである。
GK:川島永嗣、曽ヶ端準(OA)
DF:田中マルクス闘莉王、那須大亮、徳永悠平、茂庭照幸、菊地直哉
MF:小野伸二(OA)、今野泰幸、石川直宏、松井大輔、阿部勇樹、山瀬功治、駒野友一
FW:田中達也、大久保嘉人、高松大樹、高原直泰(OA)

放送陣に対して
 本日のTBSのベスト放送であった。水沼氏のコメントはもともとまともで的を得たものばかりだったが、消極的で口数の少なさが気になっていた。しかし、今夜ほど積極的な水沼氏は記憶にない。ただし、2対1に持ち込むなどサッカー経験者にしかわからない専門用語を使っていたのは今後気をつけて欲しい。
 清水氏はEURO2004の充実した解説も記憶に新しく、非常に安定した実況を期待できる。私の中ではフジテレビの青嶋氏に次ぐ実力である。

採点の比較

右の列の赤字部分は「サッカーマガジン」より引用しています。


私の採点
サッカーマガジン
曽ヶ端準
5.5
4.0
→川島永嗣
6.0
6.0
菊地直哉
6.5
6.0
田中マルクス闘莉王
6.0
6.0
阿部勇樹
6.0
6.0
茂庭照幸
6.0
6.0
駒野友一
6.5
6.5
前田遼一
5.5
5.0
田中達也
6.5
6.0
鈴木啓太
5.5
5.0
森崎浩司
6.0
5.0
石川直宏
6.0
5.0
松井大輔
6.0
5.0
高松大樹
5.5
4.5
平山相太
6.0
6.5
坂田大輔
5.0
5.0
山瀬功治
6.0
6.5
山本昌邦
5.5
-

 本日のMVPは存在しない。あえて言っても存在しない。平均点6点以上の選手が、最終18人に残れる可能性があるという方針である。
 GKの曽ヶ端選手は、力みすぎていたのか、試合開始のCK3連発からやや緊張気味なようで、結局前半最後にポロリをやってしまった。おそらく次の試合からは安定してくると期待しているが、出来としては川嶋選手の方が良かった。
 菊地選手は闘将トゥーリオ選手以上に鬼気迫るものがあった。後半引分に持ち込もうと攻撃にも積極的に参加した闘争心を評価。
トゥーリオ選手の空中戦は抜群であったが、得意の攻撃は大人しかった。阿部選手はフリーキッカーとして静の選手としては貴重な存在なのだが、彼を投入すると彼以上の動の選手が必要になる。茂庭選手の1対1の強さはさすがであった。
 駒野選手はこの日の大躍進の一人で、両サイドを違和感なくこなしてしまうのは大きなアピールである。前田選手は不慣れなポジションとはいえ、この日のA級戦犯であろうか。最近のボランチはディフェンス的にへばりつくよりも、反応良くボールをかっさらい相手のチャンスをつぶすことが求められているように思う。鈴木選手は今野選手とのコンビでないと厳しいか。どちらかというと静のタイプすぎたため、もう少し運動量を増やしプレスをかけて欲しかった。森崎選手は粘り強い守備などレギュラー争いに対する気合いが伝わってきた。私個人の好みとしては、サイドは駒野、石川で決まりだと思う。松井選手も小野選手に負けないようアピールに躍起していたのも、良いプレイもあったこともわかるが、如何せん相手が悪すぎる。軸としては小野選手と張り合うのは厳しい。山瀬選手とは甲乙つけがたい。
 フォワードについて、後半平山選手と田中選手のコンビが好調だったため、一方の高松選手と坂田選手のコンビは落第だろう。チュニジア相手に持ち味がほとんど何も発揮できなかった。
 山本監督はすでにOA枠頼みだろう。沖縄合宿は体力と気合いだけで、チーム戦術は改善されずにいたように思うのだが、それは1.5軍で戦ったため、より多くの選択肢の確認だから、と好意的に解釈していいのだろうか。



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