2004年7月20日(火曜日/晴) アジアカップ2004CHINA

重慶@スタジアム

 日本代表 vs. オマーン代表
(1-0)

得点
中村(前半33分)

失点
なし

警告
田中(後半3分)
三都主(後半39分)

レフェリー
オーストラリア人*2、バングラディッシュ人

テレビ朝日
解説:セルジオ越後、ピッチ解説:堀池巧、実況:角澤照治


<日本代表メンバー>
GK:23 川口能活
DF:3 田中誠、5 宮本恒靖(Cap)、22 中澤佑二
MF:21 加地亮、4 遠藤保仁、15 福西崇史、14 三都主アレサンドロ、10 中村俊輔
FW:11 鈴木隆行→24 西紀寛(後半41分)、20 玉田圭司→19 本山雅志(後半25分)

サブ:1 楢崎正剛、12 土肥洋一、17 三浦淳宏、18 松田直樹、
25 茶野隆行、6 中田浩二、8 小笠原満男、16 藤田俊哉、26 山田卓也

「前大会王者の戦い」

展望
 アジアカップ初戦、中国、重慶にてFIFAランキング58位のオマーンを日本代表(FIFAランキング24位)が迎え撃つ。オマーンは2月のワールドカップ予選での苦戦が記憶に新しい、ミラン・マチャラ監督率いる中東のダークホースである。
  このチェコ人の監督は、軍隊サッカー的にチームを調教するといったコンセプトのようだ。イメージ的には、EURO2004のギリシャといったところであろうか。メンバー一人一人の実力的には日本代表に及ばないことは自明なのだが、それをカバーするだけの統率力、明確な役割分担など、決して侮れない相手であ る。日本との第2戦は、前回以上の対策を練ってくるはずだ。
  一方の日本代表について、今回は7月上旬のキリンカップあたりから随分と長い調整期間が与えられているため、前回の苦戦の汚名返上したいところである。ポ イントはより多彩な攻撃の手数である。オマーンの軍隊サッカーに、予測不可能なプレイに対応するだけの実力はないだろう。いかにして相手の統率力を分断し、より個人技勝負となる1対1で対決できるような状況に持ち込めるかがポイントとなる。
  しかし、このグループD(日本、オマーン、タイ、イラン)において、オマーンがこの試合で求めるのは負けないことで充分である。つまり、勝ち点1狙い(ド ロー)で徹底して引いたディフェンスからのカウンターアタックを展開してくると予想される。このように、目指すべき結果が明確になればなるほど軍隊サッカーはより効果を発揮する可能性が高い。

予想スタメン

川口
宮本 中沢 田中
福西  遠藤
加地      三都主
中村
玉田 鈴木

  基本的にはキリンカップの勢いをそのまま持ち込んでくるだろう。暑さ対策は、ここ最近の日本の天候でも万全なはずである。日本のキープレイヤーは中村俊輔選手だろ う。彼の創造的なプレイでオマーンの組織力を破壊できるかが、この試合で勝ち点3か1かを左右することになろう。順当に行けば日本の勝利は動かないが、このような 短期決戦ではアップセットが起こりやすく、一度つまずいてしまうとそこから流れを変えるのは相当難しくなることが予想される。前回は1−0で勝った以上の勝利はもちろんのこと、誰もが納得し、安心できるような内容にも期待したい。2−0での勝利と予想する。

前半
 試合開始早々、短期決戦を意識してか、オマーンは非常にアグレッシブである。日本を倒そうとする気合いが充実しているようだ。日本対策も相当練られているようで、中盤で激しいプレス、日本のファールに対する倒れ方の上手さもなかなかであった。特に日本のサイド攻撃をつぶし、クロスボールに対する対処は驚くほど完成されていた。逆に日本の中盤のバランスの悪いところを狙い、ガンガンクロスボールを放り込む攻撃も非常に有効だった。
 しかし、日本もラインを引くことで、この猛攻を耐える懐の深さも示している。そして33分、中村選手が飛び出し、珍しいドリブルから左足のアウトサイドでネットを狙う素晴らしいシュートはタイミング的にも最高だった。猛攻でも点の取れなかったオマーンは、これでやや失速してしまった。
 波に乗る日本は、鈴木&玉田選手のコンビ(これは決めたかった)や遠藤選手のドリブルなど、ややリズムに乗り始めた。

後半
 マチャラ監督に発破をかけられたのか、試合開始からオマーンは前半以上の猛攻である。チームに勢いもあり、こぼれ球を拾うのは大体がオマーンであった。それだけ日本の反応は悪く、先にボールを触れないようでは最高でもドローに持ち込むのがやっとである。
 しかし、日本は守備を固め、辛抱強く厳しい時間帯に耐えることに関しては相当の完成度を誇る。オマーンのスタミナ切れや決定的なシーンで何度もミスってくれたおかげもあり、何とか失点を免れた。
 本山選手など、スピードがある走り回り屋をもう少し早めの投入することで、オマーンの攻撃の勢いを殺ぐことが出来たように感じた。やはりオマーンには早い展開を読む能力はなかったように思う。

まとめ
 「たら、れば」論の仮定の話をしても意味はないが、後半は特にいつ失点し、最悪負けてもおかしくないような危ういシーンが続いた。無失点で抑えられた要因として、原則的にはオマーンの決定力の甘さに救われたということを認めなければならないだろう。統率力、最後まであきらめない精神力、日本対策など、個人技以外のほとんど全ての面において日本を上回っていたのはオマーンだったことは明らかであろう。
もし私がオマーン人で、オマーン代表のレポートを書いているとしたら、このタイトルは「勝ちを逃した試合」、「ワールドカップのホーム(日本のアウェイ)戦に光明ありき」などとしていたかもしれない。
 オマーンの猛攻を評価しつつも、一方で日本の前王者としての試合運びも評価したい。2002年のワールドカップでトルコに敗れたとき、私は歴史がないから負けたのだ、と感じたものだった。しかし、今の日本はワールドカップでベスト16を始めとするさまざまな経験があり、それ以上の活躍をしなければならないという意識もあろう。このような猛暑の試合は1-0で決まることを理解し、90分間長期的な試合展開を粘り強く続けた王者らしい横綱相撲は評価されよう。
 もちろん、内容的には決定的シーンを何度も作ったオマーンを褒めるべきであり、猛暑で疲れたファンにとっては、日本の攻撃の少なさには眠気を誘うような試合だったことは事実である。
 おそらく、苦しみながらも要所要所を凌いでしまうこともあり、グループリーグ突破は濃厚と見る。とはいえ、これが横綱相撲だと好意的には認めることはできない。理想な仕上がりとか、著しく素晴らしいとも思えないため、この暑さによるコンディション不良や累積警告出場などがあれば、ベスト4程度となると思われる。
 今日のレフェリーは、鈴木選手のユニフォームを引っ張って倒したオマーンの選手にイエローカードを出さないことはいただけなかった。オーストラリア人としてはまずまずの許容範囲だろうか。しかし、オーストラリアとバングラディッシュの線審はオフサイドを良くわかっていないようで、よくそんなレベルで国際試合の笛が吹けるものだと珍しいものがあった。

放送陣に対して
 テレビ朝日の分析的ではないアプローチは私の好みには合わないし、それ以上のコメントは特にない。

採点の比較

右の列の赤字部分は「サッカーマガジン」より引用します。


私の採点
サッカーマガジン
川口能活 7.0
*
田中誠
6.0
*
宮本恒靖
6.0
*
中澤佑二
6.5
*
加地亮
5.0
*
遠藤保仁
6.0
*
福西崇史 6.0
*
三都主アレサンドロ
5.5
*
中村俊輔
6.5
*
鈴木隆行
5.5
*
→西紀寛
6.0
*
玉田圭司
5.0
*
→本山雅志
6.0
*
ジーコ
6.0
*

 本日のMVPは文句なく川口GKである。ファインセーブを連発し、明らかに1得点以上の価値があった。ディフェンス陣は中澤選手以外やや不安な要素もあり、オマーンの決定力不足に救われたのは否めないが、結果的に粘り強く無失点で抑えたことは評価してよい。
 中盤について、やはりボランチは私の好みではなく、守備的になったり攻撃的になったりやや偏りがあり、好守の舵取り役としては地味さがある。両ウィングについて、オマーンの対応が万全だったことを褒めたい。有効な攻撃も少なく、そこから何度もクロスボールを放り込まれ、危ういシーンを作り出してしまった。正直、持ち味を発揮できなかった。中村選手は1得点の結果は見事である。今後は、チームを引っ張っていけるような活躍に期待したい。全体的な出来としては、オマーンの中盤の方が良かった。
 フォワードについて、両フォワードとも相変わらずタイトなマンマークに致命的に弱い。ポストプレイは相当効果的だったと思うが、今後の試合でますます研究されるにつれて、短期間に洗練させた程度では期待以上のパフォーマンスは厳しいだろう。
 ジーコ監督は、お気に入りの欧州組(中田、小野、稲本)らを欠きながら、大きな1勝を手にしたことは評価してよい。しかし、戦術的な発展はあまり見られなかったのは残念である。これでは今後視聴率的に厳しくなるのではないだろうか。



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