2004年7月21日(水曜日/天候) 国際親善試合

韓国@ソウルワールドカップスタジアム

 (U-23)日本代表 vs. (U-23)韓国代表
(0-0)

得点
なし

失点
なし

警告
闘莉王(後半8分)
大久保(後半24分)

レフェリー
中国人

日本テレビ
解説:奥寺康彦、武田修宏、実況:村山喜彦

<U-23日本代表メンバー>
GK:1 曽ヶ端準
DF:3 茂庭照幸→12 菊地直哉(後半32分)、2 田中マルクス闘莉王、4 那須大亮(Cap)
MF:15 徳永悠平→14 石川直宏(後半15分)、5 阿部勇樹、
6 今野泰幸→19 坂田大輔(後半40分)、7 森崎浩司→13 駒野友一(後半0分)
FW:11 田中達也→10 松井大輔(後半20分)、17 平山相太、16 大久保嘉人→21 北本久仁衛(後半41分)

サブ:18 黒河貴矢、22 林卓人、9 高松大樹

「攻撃のコンセプトは何処へ?」

展望
 オリンピック本番を控えた五輪代表(FIFAランキング24位)が、FIFAランキング20位の宿敵韓国と戦うために敵地へに乗り込む。
 韓国はオリンピックのグループA、日本はグループBに振り分けられ、お互いの実力、立場的にも似通っており、お互いが実力を知るには最高の対戦相手であり、伝統の日韓戦(2月に大勝した長居での試合や、去年9月の手痛い敗戦は印象的であった)であることを考えると、好ゲームになることが予想される。
 この試合は18名に絞られたメンバーが、ベストメンバーでどれだけメダルに期待できるかという重要な目安になることだろう。私個人としては、小野選手が8月に緊急参戦するのはあまりにリスクが大きすぎると考えているため、小野選手抜きのアウェイ韓国戦でどれ程の完成度になるのか非常に興味深い。

予想スタメン

曽ヶ端
徳永 闘莉王 那須
阿部  今野
石川  駒野
田中
平山  大久保

 日本代表は、おそらくベストメンバー、司令塔抜きの3-4-3(攻撃的)で望んでくることだろう。日本が得意とする攻撃は、いかにして平山選手のポストプレイを生かし、彼が周りを走り回る(シャドーストライカー)大久保、田中の両フォワードにつなぐものだ。彼に放り込む選手は多く(阿部、トゥーリオ、石川、駒野選手ら)、この試合有効な戦術を確立させたいものである。 ワンランク上の戦術として、2月の韓国戦で見せたような山本監督の理想とする「ボールも人も良く動き、かつバランスも失わない」という流動的なプレイが出来れば、小野選手抜きでもOA枠を利用した韓国は決して倒せない相手ではない。一方、ディフェンスについては基本的に非常に粘り強く安定しているため、私は特に心配していない。曽ヶ端GKも緊張がほぐれ、より安定したプレイを見せてくれるだろう。
 オリンピック本番ではお互いがこの試合以上の厳しい戦いを強いられることが予想される。両チームとも国際親善試合のぬるさを感じさせないようなプレオリンピックのような試合になるだろう。この試合、1-1のドローと予想する。

前半
 韓国は試合開始から、日本を倒してやろうという気合いで充実している。複数人がかりで日本のディフェンスを突破するよう良く統率されており、好守の切替も早く、パスのターゲットも明確になっており、日本はGKのファインセーブや執念のディフェンスなどで辛うじて失点を免れるのが精一杯だった。しかし、韓国も暑さのためか不注意のためか、まれに気が抜けることもあるようで、日本が得点してもおかしくないシーンもあった。とはいえ、結局良いシーンをより多く作り出していたのは韓国であり、よくこの攻撃を凌ぐことが出来たと、日本の守備の集中力には感心するばかりであった。

後半
 前半に比べれば、やや失速気味の両チームである。
 日本はGKのミスやシュートミスなど疲れも見え始める。一方の韓国は、日本の反撃を防ぐべく、中央の守備をがっちりと固め、中央へのパスには最大限の注意を払った。
 暑さのためかやや膠着気味に陥り、ますますパス回りが悪くなり、苦し紛れのロングボールを放り込むといった地味な展開が続く。
 アクションが少ないまま、試合終了。韓国の方がより理想的なゲームプランを長い時間実行できた。

まとめ
 正直期待外れという感じが否めない。確かに、勝とうとする粘り強い精神力は素晴らしいのだが、気合いだけで試合に勝つことはできない。18人に絞ってから、今更スタメンとジョーカー(途中出場)の区別をする必要もないし、この韓国戦でこそ試さなければならなかった攻撃の手数などは全く明らかにならなかった。とりわけ、小野選手任せなのか、中盤のタメを省略したような戦い方には致命的な脆さを感じる。
 オリンピック本番で勝ち点1の引分を狙えることはもうわかった。しかし、勝ち点3の勝利を狙えるかについては疑問が残ることを認めなければならない。日本はオリンピック本番においても、最高でもドローにしかならないのでは、勝つ気がないのでは、と思わざるをえなかった。 
 結果的にはドローなのだが、内容的には韓国が勝っていたと言って良いだろう。韓国は日本をよく研究してきており、攻撃の起点となるサイドに少なくとも複数人で厳しくマークし、最悪でもクロスボールの方向性を限定することで、中央の守備陣の仕事を相当楽にさせることもできたし、中央の守りも非常に堅固であった。日本はサイドアタックをつぶされたことで、両翼を失ったように、露骨なロングボールばかりに依存するようになった。韓国は同じく数人がかりで平山選手をチェックすれば良いだけだったので、守備としては最もイージーな部類の仕事だっただろう。
 一方の攻撃について、さすがにこの暑さによる激しい消耗のため、やや精度を欠き、前半でほぼ燃えつきかけたことは仕方がないが、前半の体力が残っている時期の猛攻は見事であった。おそらく、この厳しい暑さを意識して短期決戦を狙ってきたのだろう。ボールを奪ったら、すぐに中盤(司令塔かボランチがよくわからないが)に繋ぎ、次に逆サイドなどに大きく展開するという一連のコンビネーションが見事に完成されていたのは見事であった。とりわけサイドの選手が非常に有効で、日本のサイドを(とりわけ右サイト)を複数人がかりで突破することも理解されていた。まるでギリシャのようなサイドの使い方は素晴らしかった。これは3バックシステムの致命的な弱点を突いた作戦でもあろう。
 それとは対照的に、日本は引分に持ち込むのがやっとだった。韓国の決定力不足にも救われたが、これではオリンピック本番で奇跡のグループリーグ突破は難しい。あえて言えば、田中選手と大久保選手のスピードや突破はこのチーム最大の武器だろう。とはいえ、それを本番までにチーム戦術として確立できるかどうかと言われると、残念ながら私はやや否定的である。しかも、疲労のためなのか負傷交代が多く、安否が心配である。

放送陣に対して
 決して馬鹿にするわけでなく、この日の放送は日テレのベストである。私が感じていたこととは多少異なるが、非常に寛容なポジションを取っていると何とか解釈できる。しかし、一歩間違えば盲目的に日本代表を応援していることになってしまうため、もう少し分析的、冷静にコメントできるようになればもっと良くなる。
 村山喜彦氏は日テレのベストアナウンサー、武田氏は褒めすぎ、奥寺氏はやや松木氏気味でということで、総合的にはTBSとそれほど大差はない。ただし、やはりプレイしている選手の名前を呼ばない(フジテレビの青嶋氏のように)のは、レポートを書く上でも困ることは改めて認識した。

採点の比較

右の列の赤字部分は「サッカーマガジン」より引用します。


私の採点
サッカーマガジン
曽ヶ端準 5.5
*
茂庭照幸
6.0
*
菊地直哉
-
*
田中マルクス闘莉王
6.0
*
那須大亮
6.0
*
徳永悠平
5.0
*
→石川直宏
5.5
*
阿部勇樹
5.5
*
今野泰幸
6.0
*
→坂田大輔 -
*
森崎浩司
5.0
*
→駒野友一
6.0
*
田中達也
6.0
*
→松井大輔
5.5
*
平山相太
5.0
*
大久保嘉人
6.0
*
北本久仁衛
-
*
山本昌邦
5.5
*

 本日のMVPは存在しない。あえて言っても存在しないが、私は韓国代表に感謝の気持ちでいっぱいである。採点については、6.0以上ならば自分らしさをアピールし(しようと努めただけでも)、オリンピック本番でも期待できるだろう、という意味がこめられている。正直、一人一人に対するコメントは、やや一方的な時間が長すぎたため、難しい。
 GKについて、前回より安定感が増したことはわかるが、また一度ファンブルして危うく失点するところだった。これではOA枠を使う意義がわからない。
 ディフェンスについて、執念深かったことは評価できる。ただし、やや前方のプレイに集中しすぎているような気がしたので、ワン・ツーなどで注意を分散させられたとき、人数をかけて守っているとはいえ、多少不安になった。中盤、トップに比べ、最も評価できるラインであった。
 中盤は大不作。両サイドは韓国の組織的なプレイで完全に封じ込められてしまった。サイドに逃げたときに、その次の展開が準備されていないようでは、本番でも厳しいことが予想されるだろう。後半の両サイドはより自分らしさを出そうとしていたので前半より若干評価した。ダブルボランチについても、韓国の中央での早い展開(ボール奪取→中央→サイドに大きく展開)に振り回され、随分と押し込まれてしまった感がある。相手にミドルシュートがなくてラッキーだった。このポジションが縦に伸びるようなプレイが出来るようだと、もっと楽に試合が展開できる。
 フォワードは、田中選手と大久保選手は、自分らしさを出そうと強い気持ちで厳しい韓国ディフェンスの裏を突破しようとする姿勢は良かった。平山選手は中東ラウンドと同じく、完全に死んでしまった。前回のチュニジア戦はまぐれだったのだろうか。
 山本監督は、また「これからが本番」といった発言をしたが、準備不足や遅れを感じるのは私だけだろうか。このままでは結局小野選手次第になってしまう可能性が高い。



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