2004年7月24日(土曜日/天候) アジアカップ2004CHINA

重慶@スタジアム

 日本代表 vs. タイ代表
(4-1)

得点
中村(前半21分)
中澤(後半12分)
福西(後半24分)
中澤(後半43分)


失点
スッティ(前半12分)

警告
なし

レフェリー
UAE(主審)、カタール、バングラディシュ人

テレビ朝日
解説:セルジオ越後、ピッチ解説:堀池巧、実況:角澤照治


<日本代表メンバー>
GK:23 川口能活
DF:3 田中誠→8 小笠原満男(後半0分)、5 宮本恒靖(Cap)、22 中澤佑二
MF:21 加地亮、4 遠藤保仁、15 福西崇史→6 中田浩二(後半45分)、
14 三都主アレサンドロ、10 中村俊輔
FW:11 鈴木隆行、20 玉田圭司→19 本山雅志(後半0分)

サブ:1 楢崎正剛、12 土肥洋一、17 三浦淳宏、18 松田直樹、
25 茶野隆行、16 藤田俊哉、24 西紀寛、26 山田卓也

「まれに見る無気力試合」

展望
 アジアカップ第2戦、いわゆる格下と思われているタイ代表(FIFAランキング64位)を迎え撃つ。
 タイ代表については、私は試合を見ていないのでインターネットなどで調べた限りの情報によれば、おそらく恒例のように引分狙いで徹底してラインを引いて、守備重視のカウンターアタックを狙っているようである。また、日本人に比べ小柄な体格でスピードがあるようだ。
 このような相手に対し、ジーコジャパンはセットプレーの練習を続けているようである。意図としては、密集したバイタルエリアから流れの中の得点はより難しいため、フィジカルで勝るという長所を生かし、リスタートからの得点を意識しているのだろう。だとすると、大量得点勝利というよりも、勝ち点3を狙っていると推測できる。
 アジア全体のレベルがより拮抗しつつあることや、厳しい気候のため、大量得点による勝利というのはこの大会にほとんど見られない(現在、4点差以上の大差はインドネシア対中国の0-5だけである)ため、勝ち点を重視するこの省エネ作戦自体は決して間違っていない。とはいえ、イラン対オマーンの結果によっては(イランが大量得点で勝利した場合)、1位通過のリスクがやや高くなる可能性がある。決勝リーグで勢いに乗るためにも、またファンのためにも、タイに圧勝することで前大会優勝の実力を示したいものである。

予想スタメン

川口
田中 宮本 中沢
 遠藤 藤田
加地      三都主
中村
玉田 鈴木

 基本的にはオマーン戦の流れをそのまま持ち込むだろう。福西選手が疲労のため、藤田選手が入ってくると予想している。彼が入ることでチーム全体の運動量が増え、チームの流れが活性化されるだろう。個人的には、鈴木選手あたりが反則をもらい、中村選手のFKなどからの得点よりも、タイを戦意喪失させるような、早いパス回し、プレスなどを生かし、流れの中からより多く得点できることに期待している。
 普段の実力があれば、よっぽど不可思議なこと(悪質なタックルによる負傷退場の多発など)が起こらない限り、日本の圧勝は揺るがない。イランが3-0でタイを下していることから、この試合、4-0での勝利に期待する。

前半
 酷暑による疲労なのか、アウェイの環境に飲まれたのか、単にスロースターターなのか、日本は試合開始から運動量が少なく、イマイチ覇気が伝わってこない。
 12分、解説によると玉田選手が倒れているので日本が躊躇したらしく、タイの選手に何と先制点を許してしまう。理由はよくわからないが、中澤選手らディフェンス陣のマークが甘くなり、抜群のコースに素晴らしいシュートを撃たせてしまったことは事実である。
 レフェリーが興奮した中国人サポーターに影響されたのか、技術がないのか、ややタイ寄りで笛を吹いている。日本はどことなくイラつきを感じているように見える。技術、フィジカル、ほとんど全ての面において明らかに劣るタイ代表であるが、それにめげることなく、リードを守ろうとフォワード以外の選手はほとんどゴール前に集結しているという圧倒的に守備的な布陣を敷いている。タイ代表が日本代表に勝っていた要素は戦闘意欲と運動量しかなかったが、この試合で最も物を言ったのはこの2つの要素だったことも否定できない。その結果、日本の有効的な攻撃はほぼセットプレーだけに限定されていたと言っても言い過ぎではなかった。
 しかし21分、壁が低かったこともあり、中村選手が良いタイミングでフリーキックを直接決める。とはいえ、相変わらず混雑した中央に対して強引な突破や、どう考えても通らないロングボールばかりを放り込むという下策ばかりを繰り返している。次第にタイ代表がこの流れを察知し、ますます日本の流れは悪くなり、プレイにもミスが目立つようになった。前半はまさかのドローで終わる。

後半
 実況では正確に指摘されなかったが、玉田選手に代わり本山選手を投入、田中選手に代わり小笠原選手を投入したことで、フォーメーションに変更があったと思われる。密集したバイタルエリアで何かができそうな予感が無きにしも非ずということで、前半との比較で見れば多少は良くなったが、絶望的な運動量、気合いのない体たらくなど根本的な問題はほとんど解決されていない。
 12分、中澤選手がCKのこぼれ球を押し込み、ようやく勝ち越しに成功。しかし、前半から目立っていたのだが、日本はオフサイドにかかりすぎである。これも消極的に待ちのプレイに徹しているからだろう。
 実力差もあり、24分にもサントス選手のCKから福西選手が押し込み、試合を決めた。その後、危ういシーンも何度かあったが、結局はタイの選手の下手糞さに救われ、後半は無失点で抑えることができた。43分の遠藤選手のクロスから中澤選手のヘディングのような得点をもっと早くから見たかった。


まとめ
 引分の前半終了時点のタイトルが、「ジーコ監督解任へリーチ」だった。練習試合に毛が生えたような内容で、このまま引分に終われば、かなり高い確率でイラン戦も尻下がりに勢いを落とすだろうというシナリオを考えていた。結果的に勝ち点3を取れたのは、単にタイが弱すぎたからに他ならない。実力的にはJ2の単独チームでも勝てたのではないだろうか(それ以下のプロリーグは見たことがない)。
 無気力試合に対してわざわざコメントするサービス精神は生憎持ち合わせていないが、簡単にポイントを列挙すると、暑さ対策、引いた相手への対応、メンバーのコンディションの把握、・・・といったこれまでに繰り返し言われてきたことが何ら解消されていないのは明らかであった。
 私がこれまで見てきたすべての試合の中でも、1,2を争うワーストゲームだった。あえて合理的な言い訳を考えれば、イラン戦にピークを持っていくために、弱い相手に対して練習試合くらいの消耗だったくらいしか思い浮かばない。それも、ならばジーコ監督が他の選手を使い、より多くのオプションに挑戦する機会だったと返されればそれで終わりだ。それとも、酷暑によるオーバーワークのため、選手は防衛本能で力をセーブしたのだろうか。いずれにせよ、責められるべきはジーコ監督だ。
 期待されていた攻撃の形もろくに作れず、運動量も異常に欠けていた。はっきり言って、ファンに対して極めて無礼な消化試合をやったとしか言いようがない。この分イラン戦は内容を伴った完勝になるのだろうか。

放送陣に対して
 実況パターンが3通りくらいしかなかった。勝って勝ち点3が欲しい、苦しい時間帯、たまに明日の五輪代表のオセアニア戦の宣伝をするという繰り返しだったように思う。これでよくプロとして金をもらえるものだと言葉が出ない。騒ぐだけなら誰でもできる。テレビ朝日は私の地上波放送ランキングの最下位を独走中である。


採点の比較

右の列の赤字部分は「サッカーマガジン」より引用しています。


私の採点
サッカーマガジン
川口能活 6.0
-
田中誠
6.0
-
→小笠原満男
6.0
-
宮本恒靖
6.0
-
中澤佑二
6.5
-
加地亮
4.5
-
遠藤保仁 5.5
-
福西崇史
6.0
-
→中田浩二
-
-
三都主アレサンドロ
5.0
-
中村俊輔
6.5
-
鈴木隆行
5.0
-
玉田圭司
4.5
-
→本山雅志
5.5
-
ジーコ
5.5
-

 あまりに格差があり、無気力試合を評価するのは非常に難しいのだが、その中でも覇気が伝わってきた選手と得点した選手は平均点以上をつけたい。
 本日のMVPは2得点した中澤選手をMVPにするしかないだろう。失点もあったがそれを帳消しにする以上の活躍を見せ、一人のディフェンダー以上の活躍をした。アジア杯の中心人物になりそうだ。
 GKについて、後半に2度ほどケアレスミスをして危ういシーンを献上してしまったが、ファインセーブもあったことを評価。ただし、私個人としてはもっとチームを引っ張ってくれるようなリーダーシップに期待しているので、やや5.5に近い。
 守備陣について、失点したまぐれ当たりのシュート以外が本来のタイの実力であることを考えれば、もう少し辛口に評価するべきなのかもしれないが、守りきったことだけは評価した。田中選手の交代は、戦術的なものと考えている。
 中盤について、まず両サイドはジーコ枠以外の何物でもない。仕掛けない、運動量の少ないウィングが代えられないことの方が驚きである。それともどこか負傷でもしていたのだろうか。理由はともかく、この2人はアジア杯では全くの不発であり、イラン戦に出場する必然性は何もない。ボランチは、運動量が不足気味で、混雑している方に突っ込む前線を修正できなかったことは痛い。福西選手は得点を評価。中村選手はおとなしい性格ながらも特に後半は何かしようとする気合いがあったような気がした。中田選手の復帰は喜ばしいが、ジーコ監督の投入時間が遅すぎたため採点不可能。小笠原選手は多少くさびの役で働いたが、混雑したエリアでは効果が半減してしまう。
 フォワードについて、3人とも密集地帯での攻略方法が欠けていた。玉田選手はこのタイプの守りに弱く、久保選手のようなくさび役がいないとまず活躍できない。鈴木選手は消極的に待ちすぎているため、タイのオフサイドトラップに何度も引っかかり、幻のゴールだけを決めてくれた。本山選手はその中でもドリブルを生かそうとしていたが、破壊力不足は否めない。
 ジーコ監督は、運良く勝ち点3を拾い、決勝トーナメント進出を決めたものの、無気力試合を演出したA級戦犯であることを考慮した。ファンの気持ちを裏切った罪は重い。


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