2004年12月16日(木曜日/晴) キリンチャレンジカップ2004

横浜国際総合競技場

 日本代表 vs. ドイツ代表
(0-3)

得点

失点
クローゼ(後半9分)
バラック(後半24分)
クローゼ(後半47分)

警告
田中(後半7分)
小笠原(後半28分)

レフェリー
Mark Shield(AUS), and two Korean

テレビ朝
主音声…解説:セルジオ越後 松木安太郎 ピッチ解説:堀池巧、実況:角澤照治
副音声…川添孝一、川平慈英、Guido BUCHWALD(前半), Pierre Littbarski(後半)


<日本代表メンバー>
GK:1 楢崎正剛
DF:21 加地亮、2 田中誠、25 茶野隆行、14 三都主アレサンドロ→24 西紀寛(後半38分)
MF:15 福西崇史、29 稲本潤一(Cap)→4 遠藤保仁(後半25分)、
8 小笠原満男、16 藤田俊哉→17 三浦淳宏(後半25分)
FW:11 鈴木隆行→28 玉田圭司(後半0分)、20 高原直泰→27 大久保嘉人(後半25分)

サブ:12 土肥洋一、23 川口能活、3 永田充、6 中田浩二

「完敗」

展望
 FIFAランキング17位(アジア最高位)の日本が同16位のドイツをホームで迎え撃つ。この試合は大スポンサーキリン様による親善試合でありながらも、珍しく欧州のトップクラスが来日するという貴重な機会である。
 日本代表のメンバーについて、欧州組のうちイタリア勢及び小野選手は召集を見送っている。稲本選手と高原選手は4日ほど前に来日している。また、日本国内では、この 1週間で最大3試合ほどの過密日程である。その他負傷者などを含めると、必ずしもベストコンディションとは言えないまるで別のチームのような印象さえ受け る。しかも、まとまった練習期間(およそ3日間)が取れず、実戦的な練習は紅白戦のみという調整には、正直準備不足が否めない。
 一方のドイツについて、14日午前にほぼベストメンバー(1.5軍程度だろうか)が来日している。時差ぼけ(ドイツでは日本時間から8時間遅れている)の影響やどれだけ本気でやってくれるかは不明だが、少なくともメンバーだけは日本以上であろう。
 予想される展開としては、体格に勝るドイツがフィジカル勝負をしかけてくることである。要注意攻撃はセットプレーであろう(筆者個人としては、ドイツの フィジカル対中沢という図式も見たかった)。ごり押しの体格勝負になれば、日本は非常に不利になり、アジア杯のように耐えしのぐことは難しいかもしれな い。日本に勝機があるとすれば、早いパスワーク、早いプレスなどのスピード勝負に尽きよう。チェコを圧倒したような試合展開に持ち込めば、少なくとも互角以上の戦いはできるはずだ。 
予想スタメン

楢崎
加地 田中 茶野 三都主 
稲本 福西
小笠原 藤田
鈴木 高原
  戦前の情報によれば、負傷者などを考慮してボックス型4-4-2のシステムで望むようだ。はっきり言って、4-4-2ではあまり良い試合内容になったこと がな い。ディフェンス陣については、宮本選手と中沢選手という二人の中心人物が欠ける中、どれだけドイツの猛攻を耐えることができるだろうか。中盤について、 この試合のキーパーソン稲本選手がどれだけ試合勘を保っているのかが、この試合の勝敗を左右すると筆者は予想している。最近パッとしない 藤田選手はガンガンスピード勝負をして欲しい。攻撃陣については、鈴木選手の役割は恒例のように厳しいドイツのプレスを受けずたぼろにされることだ。ブン デスリーガの高原選手は、長いフライトの疲れが心配だが、ここで得点してもらわないことには日本が勝つ見込みはない。また、控えの大久保選手のような小柄 でスピードのあるフォワードがどれだけドイツに通用するのか、後半あたりの交代にも注目したい。
 ジーコジャパンは、これまで大物との勝負(チェコ、イングランド)には日本代表の歴史に残るような名勝負を残してきた。しかし、それは1週間ほどのまと まった準備期間(実戦を含む)がなかったらありえない話だっただろう。4-4-2の両サイドバックがオーバーラップできなければ勝ち目はないし、そのレベ ルの攻撃の連係 はやや厳しいように思う。もし勝利すれば、近い将来ドイツがホームにてリベンジマッチを申し込んでくるような、実り多きものとなろう。しかし、守備陣の連 係はもちろん、得点パターンがイメージしにくいことには大きな不安がある。この試合やや楽観的に考えて、1-1のドローと予想する。

前半
 アジアカップと同様、前半からやや守備的なスタートというか、ボールをキープされているように見える。いくつか惜しいシーンも見られたが、それ以上に日本の守備陣の連係が甘く、度々決定的シーンを献上してしまった。また、中盤でのパスの回りが悪く、ほぼ中盤をコントロールされている時間が長かった。正直見所の少ない前半だった。

後半
 鈴木選手を外し、玉田選手を投入する。スピード勝負という表れであろう。
 しかし、依然として圧倒的なドイツペースに対して日本がまれに攻撃を仕掛けられるという時間が続く。そして9分、田中選手のファールで与えたバイタルエリア左辺りからのFKを楢崎GKがこぼしてしまい、それを押し込まれ痛恨の先取点を献上してしまう。
 多少これがカンフル剤になったか、日本も攻撃を仕掛けるがいまいち精度が悪い。そして守備は徹底して引くが、アジアカップとは違いミドルレンジで好きにさせてしまうとかなり厄介である。
 24分、茶野選手が中盤でかわされ、そのまま突破され追加点を許してしまう。
 25分、一気に3人交代(高原直泰OUT 27 大久保嘉人IN、29 稲本潤一OUT 4 遠藤保仁IN、16 藤田俊哉OUT 17 三浦淳宏IN)で追いつきを狙う。大久保選手はスピード勝負、飛び出さない稲本選手を外し、キープしパスを供給する遠藤選手を投入、効いていない藤田選手を外し(システム変更などもあったかもしれないが、副音声ではきちんと説明しなかったようだ)、ベテラン三浦選手を投入する。
 いくつか面白い攻撃もあったが、付き焼き刃レベルの攻撃が通用するドイツ守備陣ではない。ドイツを冷やっとさせたのは、せいぜい三浦選手の左からのクロスを大久保選手がヘッドで落ち着いてサントス選手にポストプレーくらいだろうか。
 後半47分ロスタイム、バイタルエリアで面白いように日本ディフェンスを翻弄してからシュート。この手のゴールは相手を崩せるという確信があればこそできるようなプレーだ。プロとしては相当堪える失点だった。

まとめ
 私の予想する中で最悪の部類の試合だった。見ていても全く面白くなかったし、良いところもほとんどなかったし、今年ワーストクラスの試合内容である。ただ、ほぼ新メンバーで同情心もあるし、選手たちも自分たちはもっとできると思っているに違いない。とにかく、現実的にはアジアカップで完勝してきた日本とアジアの国々との差くらいのようなものも感じられた。散々な試合内容を振り返るのも気が滅入るが、その原因を一応確認しておこう。
 戦前の予想通り、攻撃のコンビネーションがほぼ全くといっていいほど機能しなかった。いくつか良いチャンスもあったが、さすがにアジア相手ではないので正直得点の匂いはしなかった。これは、ボックス型の中盤で誰一人としてボールをキープできる司令塔の仕事ができなかったからだろう。攻撃の起点(機転も)がないということだ。特に中央でのパスワークがまるで機能しなかった。守備についても予想より悲惨な状況で、組織立ったプレスもなく、それぞれがちぐはぐに動き、ほぼ完全に中盤を制圧された。さらに、最終ラインとボランチの噛み合わせも悪く、私はしばしば放送されるレアルの典型的な失点パターンを思い出した。アジア相手ならまだしも、これで欧州のトップクラスに勝つのはほぼ不可能である。
 見ていて特に情けなかったのが、バイタルエリアで何回もパスが通され振り回されていたことである。これは相当の実力差(守備の中心人物がいなかったせいもある)がないとできないことである。これではいくらチャンスがあっても勝てることはない。極めて屈辱的なノックダウンシーンのようなものである。
 あえて良かった点を挙げれば、ジーコ監督が勝負にかけたようなスピード勝負だったかもしれない。最も不動のスタメンと思われていたサントス選手をこのように戦術のために外したのは初めてではないだろうか? しかし、サイドやシャドータイプのストライカーは、1本の木における枝葉のようなタイプの選手である。彼らが機能するには、司令塔のようなボールをキープする幹に支えられなければならない。実際サントス選手がサイドで溜めを作り、クロスボールは供給する攻撃はこの日最も有効な手段の一つであったように思う。しかし、サイド攻撃ばかりが目立ち、中央から攻撃が展開できないというのも実力差の証明とも言えよう。
 チェコやイングランドに名勝負を繰り広げたのは日本が優れているのでも相手が手を抜いているのでもない。直前の実戦に裏付けられなければ、あれだけのパフォーマンスは発揮できないということが証明された。また、今年のように直前合流など相手をなめた準備をしていると、強い気持ちだけではアジア最終予選で思わぬ大敗を喫する可能性も高い。クラブ、協会、選手と充分なミーティングを経て、一丸とならなければ2005年の日本代表の躍進は難しいだろう。
 最後に、ドイツが決して手を抜くことなく最後まで真剣勝負を挑んでくれたことに感謝したい。

放送陣に対して
 テレビ朝日の実況・解説はこれまで何度も指摘してきたように、注意深く聞く価値もここでコメントする意義もない。試合の流れを適切に説明せず、日本の攻勢を無闇に煽り、ただ騒ぐだけであった。主音声も副音声もレベル自体は大して変わらず、不潔な公衆便所と悪臭のする肥溜めの違いくらいしかなかった。
 もう少し嫌味を言わせていただくと、川平氏のようにサッカーに関連する固有名詞をやたら連発して、情報を伝えるというより「俺は知っているんだぞ」という勢いを前面に出す人で、まともにサッカーをプレイできる人は限りなく皆無に等しい(参考までにフジテレビの青嶋さんもその手の匂いがしないでもないが、彼ほど試合内容を的確に把握し、解説以上の実況をこなせる人は存在しない)。俳優のような自己陶酔を必要とする職業はフォワード以外のポジションに向かないだろう。松木氏は居酒屋で愚痴を言うだけの解説だが、キャラクターは違うとはいえ、川平氏も騒ぐという意味では、やっていることは何ら変わりはない。

採点の比較

右の列の赤字部分は「サッカーマガジン」より引用しています。


私の採点
サッカーマガジン
楢崎正剛 5.5
5.0
加地亮
6.0
5.5
田中誠
5.5
5.0
茶野隆行
5.0
5.0
三都主アレサンドロ
6.0
5.0
西紀寛
-
-
福西崇史 5.5
4.5
稲本潤一
5.5
4.0
→遠藤保仁
6.0
6.0
小笠原満男
5.5
5.5
藤田俊哉
5.0
5.5
→三浦淳宏
6.0
6.0
鈴木隆行
5.5
5.0
→玉田圭司
6.0
5.5
高原直泰
5.5
5.0
→大久保嘉人
6.0
5.0
ジーコ
5.0
5.5
試合の総評
4.5
*

 本日のMVPは存在しない。A級戦犯についても難しい。全員が闘争心を失うことなく戦ったとは思う。ただもう少し中心人物がいれば、断片的な好プレーももっと意図的に数多く実現し、もっと良くなるというような気はする。
 楢崎GKは珍しくミスによる失点だった。その後の試合展開を大きく変えてしまった罪は重い。しかし、その前後にもファインセーブはあった。
 加地選手はここ最近で最もアグレッシブのように見えた。右サイドを活性化させた一人。田中選手は中澤/宮本の代役と思われるが、やはり周囲とのコンビには難があった。茶野選手はドイツオフェンダーを止められず。致命的なチャンスを献上した。サントス選手も今日の中では最もアグレッシブにクロスボールを供給しており、あえて言えばMVPかもしれない。西選手は出場時間が短く、評価不能。福西選手は得意の「守備的な」ディフェンスだった。単品でそれは良いかもしれないが、稲本選手とのコンビはいまいち。ボールを溜められる遠藤選手との方がベター。稲本選手は得意の飛び出しのタイミングが悪く(周囲との兼ね合いも合った)、らしさをアピールできず。小笠原選手は消極的な裁き屋というイメージがある。サイドに配るのは良いが、自分で中に切れ込むなど、相手に脅威を与えられるようなプレーが欲しい。藤田選手はここ最近絶不調。小野選手のような球出しの選手がいないとあまり機能できないようだ。三浦選手は少なくとも前回以上はアピールしようという意志が伝わってきた。惜しいチャンスもあり、途中出場として流れを変えようという意識があったようだ。
 鈴木選手はボールを数えるほどしかもらえなかった。チャンスは数えるほど。パスの供給主がいない場合のもらい方を工夫しないと厳しい。玉田選手はスピード勝負をしかける姿勢は良かった。シュートが少なかったので5.5に近い。高原選手はシュートが不正確すぎた。大久保選手は出場時間がやや短かったが以前とは違うクレバーさでうまくサントス選手にリターンしたのは良かった。もう少し早い投入でも良かったのでは。
 ジーコ監督は試合に勝とうとする闘争心を選手に植え付けることは成功したようだ。得点差によって不動のスタメンをいじることもようやく見られたが、もう少し早くても良かったように思う。
 現在考え中の試合総評について、4.5というのは年に数えるほどしかないレベルの大敗、サポーターが幻滅するような試合、チャンネルを変えられるような試合に用いる予定である。


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